法輪功情報サイト「明慧網」によると、鍾一鳴さんは中国東北部の遼寧省大連市出身で、昨年9月に上海市の総合大学、上海交通大学に入学した。
大学側に呼び出された鍾さんの両親は3日、上海に到着し、息子が大学と警察当局の取り調べを受けていると知らされた。
報道によると、鍾さんは祖母とともに法輪功の学習者だ。大学入学後、中国当局のネット検閲を回避できる仮想プライベート・ネットワーク(VPN)を通して、「明慧網」などの海外ウェブサイトにアクセスした。鍾さんは、交通大学の学生や教職員に、法輪功の迫害実態を知ってほしいとして、自ら資料を作成して配布した。校内に設置されている監視カメラがこの配布の様子を捉えたという。
上海警察当局は鍾さんを拘束後、学業の継続や今後の就職に影響が出ると脅かし、法輪功の修煉をやめる誓約書に署名させようとした。5日、当局は鍾さんを地元の留置所に移送したが、具体的な場所を両親に知らせなかった。息子の身の安全を非常に不安に感じている両親は上海で情報収集に当たっている。
法輪功は「真、善、忍」に基づいて心身修煉を行う健康法で、1992年に李洪志氏によって公に伝え出された。中国では、健康促進の効果が高いとされ、90年代に人気を博した。中国当局の統計では、1998年には学習者が7000万人以上にのぼった。
法輪功学習者の理念が共産党のイデオロギーに相容れないとして、中国当局は1999年、法輪功学習者への弾圧政策を始めた。過去20年間、中国国内の学習者は身柄拘束、拷問、性的暴行、薬物注射、臓器の強制摘出など、さまざまな迫害を受けてきた。
ポンペオ米国務長官は6月21日、「2018年度 国際信教の自由に関する報告書」の発表に合わせて行った記者会見で、中国共産党政権はすべての宗教を敵視していると批判した。長官は「法輪功学習者を含む中国の宗教団体は、依然としてひどい迫害を受けている」と述べた。
米政府関係者は在米の法輪功学習者に対して、人権侵害や宗教団体への迫害に関与した中国当局の高官や関係者について、今後入国審査を厳しくし、また入国拒否する可能性があるとの意向を伝えた。米政府は在米の学習者に、迫害関与者に関する情報を提供するよう通達した。
(大紀元:翻訳編集・張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/07/44711.html