香港歌手デニス・ホー、国連でスピーチ「中国を人権理事会から外して」
香港の有名な歌手で民主活動家でもある何韻詩(デニス・ホー)さんは7月9日、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会に出席し、香港において中国共産党政権が暴力を伴う抑圧を強めているとして、中国を人権理事会メンバーから除名するよう主張した。中国代表団は、何さんの2分間のスピーチ中に2度停止を求めたが、委員長は継続を許可した。
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何さんはスピーチのなかで、香港における中国共産党の抑圧を非難し、国際社会が中国側に圧力をかけるよう求めた。
香港では6月、中国本土への容疑者の引き渡しを可能にする、「逃亡犯条例」改正案に抗議するために200万人の市民が抗議行進を行った。「中国政府は香港を保護する壁を取り除こうとしている」と指摘した。
何さんが30秒スピーチしたところ、国連の中国代表団・戴德茂氏が割り込んで、何さんの内容は「国連憲章に違反している」と抗議し中断させた。人権理事会副議長でアイスランド常任代表ヘラルド・アスペルンド氏は、何さんの発言継続を促した。
何さんは、「香港市民が抗議行進の最中、香港警察はゴム弾を放ち、150回以上の催涙弾を放った。数十人が逮捕され、香港の状況に絶望したためか、これまでに4人が自殺した」と述べた。
「過去数年間の欺瞞に満ちた(親中共的な)政策に、香港市民は怒っている。香港返還以来、私たちの香港は自治がますます失われた。立法評議会(議会に相当)の6議員が失脚させられ、中国の統制が強くなっていることを証明している」と述べた。
何さんは、香港の高度な自治を認める「一国二制度」は、今はほとんど機能しておらず死んでいると表現した。この際、中国代表団は再度、何さんが「一国二制度」について侮辱的な言葉を使ったとしてスピーチ中断を求めた。副議長は、何さんにスピーチを続けるよう述べた。
何さんは、国連は香港の人々を守るための緊急会議を開き、中国共産党による人権の踏みにじりを理由に、国連人権理事会から中国を除外するよう求めた。
スピーチの終了後、AP通信の取材に答えた何さんは、「香港は他(中国国内)の都市になる寸前だ。言論の自由が失なわれ、香港にいる私たち全員が危険にさらされている」と述べた。
何さんは過去、中国本土で100回以上のコンサートを開催したことがある。しかし、何さんが2014年に香港の民主活動・雨傘運動に参加し、真の普通選挙を求める活動を始めたことで、中国当局は、何さんが本土でのコンサートを開くことを禁止し、何さんの音楽をインターネットでダウンロードすることさえもできなくした。
(大紀元:編集・佐渡道世)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/07/44701.html
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