中国メディアの報道によると、中国政府系ハイテク技術研究機関、中国科学院の自動化研究所の傘下人工知能(AI)技術企業、「銀河水滴技術(Watrix)」が同システムを開発したという。同システムは「水滴慧眼」と名付けられた。
このシステムは、歩き方の情報データベースの構築、歩き方の識別、歩き方の検索、広範囲追跡などの機能を備えている。
銀河水滴の黄永禎・最高経営責任者(CEO)は、同システムは、対象者が顔を隠しても、あるいは背中をシステムのカメラに向けても、50メートル内で人物を特定できると話した。識別の精度は94%に達し、駅や空港、博物館、学校、観光スポット、ショッピングモール、原子力発電所などでの警備に、同システムが最適だという。
銀河水滴科技は昨年10月、携帯用の歩行分析・検索設備、「水滴神鑒」を発表した。監視カメラで撮影した映像の中から、歩き方で特定の人物を識別できるといいう。
また、同社は2015年に、すでに1万人以上の国民の歩き方と、季節ごとに各角度から捉えた体型などのデータを集めた。
中国当局はすでに、各都市の隅々に設置された監視カメラを通じて、国民の歩き方に関する情報を収集し、データベースを設立したとみられる。国際市場調査会社IDCが今年1月30日に発表した報告書では、中国で公共場所に設置される監視カメラの台数は2022年に27.6億台に達すると推測した。
中国メディアによると、銀河水滴科技の歩行識別システムは湖北省、広東省、上海市などの各地で導入された。
在米中国人時事評論家の鄭浩昌氏は大紀元の取材に対して、歩く姿認証識別システムは「いわゆる社会安定維持に使われる。中国当局は、全国民、特に反体制の活動家、または政権を脅かす可能性のある人物を監視するのに使用する」と強調した。
また鄭氏は、「法治国家ではない中国では、当局の必要があれば、立法することもなく、このような顔識別技術と歩く姿認証技術が直ちに導入される。国民のプライバシーが甚だしく侵害されるに違いない」と懸念した。
(大紀元:翻訳編集・張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/07/44522.html