シンガポール金融管理庁(MAS)のラビ・メノン総裁が6月27日、年次報告発表会見で明らかにした。通産省はGDP成長予想を1.5~3.5%から1.5~2.5%に修正していた。第2四半期のGDP統計は7月に発表される。
メノン氏によれば、現在の予想値は、経済が第3四半期に安定し、第4四半期とそれ以降、緩やかながら回復する、との予想を前提にしているが、回復は上半期の弱さを相殺するほどにはならない可能性が高いという。また、「われわれは貿易・技術戦争のさなかにあり、経済のけん引力である貿易、製造、投資の3つとも減速モードになってしまった」と語った。
技術をめぐる米中の争いが長引いた場合、世界の技術インフラが2つに分かれる可能性があり、知識創造、普及が損なわれる可能性があるという。
国内経済の各部門の状況についても、貿易関連業(製造、卸売り、運輸・倉庫)は半導体景気循環の影響を引き続き受けるが、金融、情報通信、専門職サービスは堅調で、経済をけん引すると述べた。