上院は数日前の本会議でサウジなどへの武器売却を阻止する22の決議案を採択したが、トランプ氏が発動を表明している拒否権を覆すのに必要な賛成票は集まらなかった。
サウジのイエメン内戦への介入や人権問題をめぐる懸念が議会の反発の背景にあるが、ポンペオ国務長官は、イランによる脅威がサウジなどへの武器売却を正当化していると主張してきた。議員らはポンペオ氏の主張は受け入れず、対抗姿勢を緩めていない。
上院外交委が承認した法案がいつ上院の本会議で採決にかけられるかは不明。
米国の武器輸出管理法は、外国への武器売却を議会で審議することを義務付けているが、緊急性が高い場合は議会手続きを省略できるとの例外規定がある。新たな法案は、この規定について、米国の安全保障上の最も緊密なパートナーである北大西洋条約機構(NATO)加盟国やオーストラリア、イスラエル、日本、韓国、ニュージーランドに売却相手を限定する内容となっている。
また、売却対象も物理的な脅威に直接対応する武器や軍事サービスに限定し、2カ月以内に大半の物資が納入可能な場合においてのみ売却を認めるとしている。サウジとUAE向けの軍事装備は納入までに数カ月あるいは数年を要するとみられる。
同委の民主党トップで同法案の発案者であるメネンデス議員は「武器輸出管理法の緊急時規定は本当の非常事態においてのみ、緊密な同盟国に対する例外措置として用いられるべきだ」と訴えた。
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/44172.html