インドは米国から最も多くのH1─Bビザを発給されており、大半は同国の大手IT企業に勤務する人がその対象になっている。ただインドのデータ保管に関する厳しいルールが多くの米企業を混乱させ、米政府の反発を招く事態になった。
2人のインド政府高官は19日、米政府から毎年インド人向けに発給するH1─Bビザについて、年間割り当て枠の10─15%に抑える計画を先週説明されたと語った。
現在米国は毎年8万5000のH1─Bビザを発給しているが、特定の国への発給は制限されておらず、インド人が全体の70%を受け取っているとみられる。
この2人の高官は、世界的に「データのローカル化」によって各国がデータ管理を強化し、国際的な企業の力を弱めようとする動きが出ていることと結び付けて、米国がH1─Bビザの発給制限計画を知らせてきたと述べた。
インドと米国の交渉に詳しいワシントンの業界筋も、米国は世界的なデータ保管ルール策定の流れに対応する形で、H1─Bビザの発給制限を考えているとの見方を示しつつ、これはインドだけを狙い撃ちにしたのではないと付け加えた。
いずれにしてもH1─Bビザ発給が制限された場合、タタ・コンサルタンシー・サービシズ<TCS.NS>やインフォシス<INFY.NS>に代表されるインドのIT業界が最も大きな打撃を受けそうだ。これらの企業の社員は、H1─Bビザを使って最大の市場である米国にエンジニアや開発担当者を派遣している。
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/43967.html