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カンボジア:第4次産業革命に向け準備を進める製造業部門

 
6月19日Sofitel Phnom Penh Phokeethraにて開催されたイベント「Digital Future Talk: Industry 4.0 Focus Garment」で講演した業界関係者は、競争力を維持するため、工場は最新の技術トレンドを取り入れ近代化しなければならないと強調した。
 
しかし関係者らは、労働力を向上させるうえで必要となる訓練を含み、カンボジアの工場は近代化を進めるうえで多くの課題に直面していると主張した。
第4次産業革命、そしてそれがカンボジアの製造業部門に及ぼす影響についての議論は、カンボジアで生産される衣料品の最大の輸入国である、欧州連合の「武器以外すべて」協定(EBA)の特権剥奪が起こり得る最中に行われた。
 
専門家らは、製造業におけるデジタル化・自動化が、海外でのカンボジア製品の魅力を高め、カンボジアの長期的な経済成長に貢献するだろうとの見方で一致した。一方で、この自動化の波により何千もの仕事が機械に置き換わるのでは、という懸念も表明した。
 
カンボジア衣料製造業者協会(GMAC)の評議会メンバーであるJohn Cha氏は、こうした懸念を一蹴した。
 
「注文が増え、私たちは、より多くの労働者を必要とします。すべてが手作業だった20年前と比べて自動化が進んでいます。自動化は労働者を排除しませんでした」とCha氏は述べる。「[第4次産業革命への]適応には様々なレベルがあります。いくつか[の工場]はごく初期の段階にあります。中には非常に進歩した工場もあります」と彼は言う。
 
同氏によると、カンボジアは第4次産業革命への適応に向けて順調に進んでおり、GMACには、より自動化が進んだ職場への移行を支援する独自戦略があるという。同氏は、カンボジア縫製研修所(CGTI)では、どの工場の労働者でも研修を受けることができる、と述べた。
 
「競争力を高めるために努力しています。コスト、物流などの面で業界の課題を改善しています。私たちは最善を尽くして生き延びます」とCha氏は付け加えた。
 
9月に開催された第4次産業革命に関するハイレベル・セミナーにおいて、経済財政省のPhan Phalla国務次官は、カンボジアの政策立案者は最新の技術進歩の恩恵を享受するため、国が有利な立場に位置し、それを確保することに集中していると述べた。Phalla次官は、政府は技術的な先進経済への移行に伴う社会的・経済的コストを最小限に抑えつつ、技術動向の変化に合わせて国を適応・変革できるようにすることを目指しているという。
 
「第4次産業革命は、富の増大、生産性の向上、経済的包括のための強い推進力としての役割など、共通機会をもたらすでしょう」と彼は言う。新技術、特に人工知能、ロボット工学、バーチャルリアリティ、ブロックチェーン技術、3Dプリンティングは、旧来の開発段階を飛び越え、経済的に飛躍する機会を途上国に提供するかもしれない、とPhalla次官は言う。
 
「新技術により雇用減少が見込まれ、また低技能労働者の失業増加、国家への物理的攻撃と同程度の損害・費用がかかるサイバー攻撃など、すべての国にとって深刻な課題となっています」とPhalla次官は述べた。「デジタル経済への準備と第4次産業革命への対応は、本国政府の未来への責務における主要な優先事項のひとつです」と彼は付け加えた。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3909.html