アングル:イラン合意存続目指す英仏独、「次の一手」が限界か
[パリ/ブリュッセル/ワシントン 18日 ロイター] – 英国、フランス、ドイツの3カ国(E3)は、2015年に締結したイラン核合意存続に向けて新たな手を打つ方針だ。ただイランにこうした外交的な働き掛けをする局面は、もはや終わりに近づいているかもしれない。
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E3は核合意の枠組みについて、トランプ米政権が昨年一方的に離脱してイランへの制裁を復活した後も、何とか維持しようとぎりぎりの努力を続けている。イランは当初、トランプ大統領が来年の選挙で落選する事態を期待してひたすら待ちの姿勢を取っていたもようだが、今年5月に米国がイラン産原油の完全な禁輸を目指すと決めたことで、目算が狂った。
その結果、中東で相次いでタンカーが攻撃される事件が発生。イランは否定するものの、米政府はイランか、その影響下にある勢力が背後にあると批判している。さらにイランは17日、低濃縮ウランの貯蔵量が10日後の27日に核合意で定められた上限を超過すると表明した。
ある欧州連合(EU)の幹部外交官は「もし上限を超えれば、EUにとっては事実上ゲームオーバーだ」と述べ、それは許容できないとの見方を示した。
こうした中で複数の外交筋の話では、E3は今後数日中に外交的な取り組みを強化し、20日にはブリュッセルでE3とEUの高官が協議する予定だ。また2人の関係者は、米国務省のイラン担当特別代表、ブライアン・フック氏は、ウラン貯蔵量が上限を突破するとイランが警告した27日に、E3の各担当高官と会談すると打ち明けた。
場合によってはE3の外相が核合意存続を求めてテヘランを訪れる可能性もあるが、現段階ではまだ選択肢には含まれていない。
一方、米国離脱後にE3と中国、ロシア、EUおよびイランで構成する形になった核合意関係国の共同委員会が、2週間以内に会合を開くこともあり得る、と3人の外交筋が述べた。
欧州の別の幹部外交官は「われわれはイランを瀬戸際から引き戻す必要がある。ただしはっきりさせたいのは、核開発問題に関してわれわれが容認できる余地はゼロだ」と言い切った。
イランがウラン貯蔵量に関する合意を破る姿勢を見せたことについて、米政府は「核の脅し」だと反発し、中東に軍部隊を追加派遣すると発表した。
実際にイランがこうした合意に違反するかどうかは分からない。トランプ政権の合意離脱以降で初めて、欧州と米国を結束させることになるだけだからだ。ある西側情報機関筋は「われわれの見立てでは、イランは核合意から離脱することを依然として望んでいない」とみている。
イランのある関係者は、政府としては欧州諸国が核合意の崩壊を防げるかどうか疑っていると指摘。「欧州がそれを欲しても、彼らは核合意を救う力を持っていない、というのが大方の見方だ」と冷ややかだ。
それでもジェラール・アロー駐米フランス大使は外交を行うべきだと主張し、ツイッターで「現在の米国とイランの緊張においてわれわれに不可欠なのは外交的な工夫だ。制裁を科して相手が屈服するのを待つのは、失敗や破滅につながる」と警鐘を鳴らした。
(大紀元:John Irish、Robin Emmott、Arshad Mohammed記者)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/43964.html
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