中国経済学者の夏業良氏は12日、YouTubeに投稿した経済評論動画で明らかにした。夏氏が国内から入手した情報では、安徽省のある電機企業が社内に送った通達で、支払いに問題が起こらないように、今後12の銀行の「銀行引受為替手形」を受け付けないようにと指示した。
通達によると、12の銀行には、中国東北部にあるハルビン銀行、錦州銀行、盛京銀行、西北部にある甘粛銀行、蘭州銀行と、山東省と天津市の一部の銀行がリストされた。ほとんどが上場金融機関だ。
中には香港市場に上場している盛京銀行は遼寧省瀋陽市に本部を置き、地元の有力都市商業銀行として業務を拡大してきた。
夏業良氏は、中小銀行の金融システムが崩壊する前兆であると強い危機感を表した。同氏は、与信リスクが一段と拡大することで、今後数年間に中小銀行が連鎖的に破たんする恐れがあるとの認識を示した。
夏業良氏は、中国の金融機関は上場しているが、実質上、国有資産だと指摘した。「中国当局は銀行の連鎖破たんを回避するため、最終的に国有資産管理会社(AMC)が問題の中小銀行を買収し、財政部(財務省)が不良債権を全部抹消する可能性が高い」
中国当局は2015年5月、預金保険制度を導入し、銀行が破たんした際、最大50万元(約800万円)までの預金が保証されるとした。
中国国内メディアの報道によれば、中国人民銀行が5月24日、金融機関の破たん増加に備えて、100億元(約1600億円)を出資し、預金保険ファンド会社を設立した。国内の金融不安は一段と広がった。
中国当局は2015年5月に預金保険制度を導入した。この制度では、銀行が破たんした際、最大50万元(約800万円)までの預金が保証されると定めている。
夏氏は、「中国当局が後押しするトップ大型商業銀行10行を除けば、他の商業銀行はほぼ全部危機的な状況に陥っている」と警告した。
(大紀元/翻訳編集・張哲)