12日の香港デモについて、ほとんどの中国メディアは「沈黙を貫いた」。中国ネットユーザーの多くはVPNを使って、海外メディアによる抗議デモの生中継を視聴したという。
湖北省武漢市民の周さんは、「この2日間、『逃亡犯条例』改正案の撤廃を求める香港市民のデモ行進や抗議活動を見てきた。(自由のために戦う)若者の姿に本当に感動して涙を流した」と話した。周さんは、改正案が立法会で可決すると、香港市民は「安全でなくなる」との認識を示した。
湖南省長沙市民の潘さんは、12日未明から始まった生中継を止まることなく視聴していた。「立法会の前で抗議活動を行う香港の学生の姿を見て、感激し励まされた」。中国国内で民主化活動を行う潘さんは、「香港市民と学生から、今後、国内でどのように活動を行っていくべきかの手本を得られた」と述べた。
香港の「逃亡犯条例」では本来、香港と身柄引き渡し条約を締結している20カ国に、刑事犯罪の容疑者を引き渡すことができると定めている。この20カ国の中に中国本土は含まれていないのが現状だ。
条例改正案は、中国本土、マカオなど20カ国以外の国と地域に容疑者の移送を認めている。成立すれば、中国当局の要請で香港市民のほか、香港に住む外国人や観光客も、中国本土に引き渡される可能性がある。
江蘇省に住む人権活動家の張建平さんはRFAに対して、「中国の司法が、党の支配下にあることが最大の問題だ。だから、香港市民は改正案に強く反対しているのだろう」と語った。
一方、12日、林鄭月娥・行政長官は、市民の抗議デモは「組織的な暴動」と批判した。香港警察当局は、催涙弾とゴム弾などを発射して、デモ隊を鎮圧した。72人が負傷したと報じられた。
(翻訳編集・大紀元:張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/43724.html