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インドネシア:SNS制限を解除

 
ウィラント政治・法務・治安調整相は22日、「ホークス(偽情報)拡散の主要メディアになっているソーシャルメディアとメッセージサービスを制限する」と発表、「国を守るための措置だ」として「2、3日は写真閲覧ができなくなる」と告知した。
 
ルディアンタラ通信情報相は携帯電話会社に機能制限を命じた。「情報・電子商取引(ITE)法に基づく処置で、一時的、段階的な制限」と説明、統制の取りやすいテレビなどの主流メディアの利用を促した。
 
対象となったのはフェイスブック、インスタグラム、ワッツアップ、テレグラム。政府は写真、動画のアップロードの制限を目的としていたが、少なくともジャカルタ特別州内では、フェイスブックにログインできない状態となった。ワッツアップはテキストの送信はできても受信に数時間かかり、22日深夜に一斉送信されるなどした。
 
独立ジャナーリスト連盟(AJI)は23日、「憲法で保障された国民が情報を得る権利に反する」として規制解除を要求。正しい情報にアクセスする権利も侵害したと批判した。
 
また、フェイスブックで商品の宣伝、顧客とのやりとりを行なっていた電子商取引(EC)事業者からは、期間中に対象サービス内での営業ができなかったとして、損失を訴える声が出ていた。
 
交流アプリの利用が盛んなインドネシアでは近年、通信情報省がポルノコンテンツを遮断。テロ実行の連絡などに使われているとして、過激派組織関係者のアカウント削除など、交流アプリやウェブ上の規制を強化してきた。
 
国内からのアクセスが規制されたコンテンツを閲覧するため、海外経由でネットにアクセスする仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリを使用する利用者も増えたが、VPNへの規制は政府も行っていない。
 
今回も多数のVPNを使った接続が行われたとみられるが、一部のVPNアプリはマルウェア被害につながるケースがあるとして、地元メディアなどが注意を呼びかけている。
 
(じゃかるた新聞/大野航太郎)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/47815.html