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インドネシア:プラボウォ派 暴徒動員 機動隊と衝突、宿舎襲撃 車25台放火、257人逮捕 中央ジャカルタ

 
22日未明、中央ジャカルタ区タムリン通りの総選挙監視庁(バワスル)を襲撃しようと、暴徒が警察機動隊と衝突、タナアバン市場周辺の路上で石や花火を投げつけるなどしたため、機動隊は催涙弾を発砲して鎮圧した。
 
暴徒はカレット駅やタナアバン駅方面へ移動。タナアバン駅脇の橋を越え、分離帯の柵を破壊しながらプタンブラン方面へ進んだ。プタンブランにある野党陣営のイスラム強硬派団体、イスラム擁護戦線(FPI)本部付近では機動隊宿舎を襲撃、車25台に火を付けた。商店などへの被害は報告されていない。
 
この日は終日、プタンブランのKSトゥブン通りや、西ジャカルタ・クマンギサンにつながるスリピ1通りなど数十カ所で、タイヤやトタン板、鉄線などが燃やされた。このため警察はヘリコプターでタナアバン市場脇のチリウン川から水を運び、上空から消火活動を行なった。
 
ウィラント政治・法務・治安調整相は同日午後、同調整相事務所で会見を開き、暴動は治安部隊が暴力的に鎮圧することで犠牲者を出し、政府への怒りを国民の間に引き起こすため入念に計画されていたと指摘。「(野党勢力の指導者が)これまで扇動を続け、若者を動員した」「今月に入り、ライフルやピストルなどを各地で多数押収した」と説明した。
 
ウィラント調整相は20日、銃器不法所持の疑いでプラボウォ氏の部下にあたる元陸軍特殊部隊(コパスス)司令官スナルコ氏を逮捕したと発表していた。
 
ティト・カルナフィアン国家警察長官は、選挙結果への不服を表明するために集まったデモ隊と暴徒は別の集団だと強調。プラボウォ支持者のデモは礼拝後の21日午後9時には解散したが、22日未明になり、タナアバン方面から突然現れた約300人の暴徒が総選挙監督庁を襲撃しようと機動隊に投石を開始したと指摘、「石が積み込まれた救急車が待機していた。現金がばらまかれ、入れ墨の入った若者らが多数動員された」と明らかにした。
 
野党陣営幹部が「治安部隊はPKI(共産党)のようにイスラム教徒6人を撃ち殺した」と主張したことについて、ティト長官は「機動隊は実弾を装備していない」と否定、治安部隊と見せかけて実弾を使った者がいる可能性もあると話した。
 
警視庁は同日夜、銃器や刃物、爆竹、弓矢などを所持し、機動隊宿舎襲撃など暴力行為に関与したとして、暴徒257人を刑法違反の疑いで逮捕したと発表した。
 
アニス・バスウェダン知事は死者6人、負傷者200人以上(午前9時時点)と明らかにした。
 

 
(じゃかるた新聞:蓜島克彦、8面に関連)
 
ソース:https://www.jakartashimbun.com/free/detail/47773.html