ベトナム:アパレル産業、2025年までに輸出収益600億米ドルの見込み
環境にやさしい製造を中心とした自由貿易協定(FTA)の活用を目的とした繊維・アパレル産業は、2025年までに600億米ドルの輸出収益を上げると見込んでいる。
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ベトナム繊維協会(VITAS)によると、昨年、同産業は前年同期比で16%増の360億米ドルの輸出収益となり、世界第三位の繊維・アパレル製品輸出国の1つとなった。
VITAS会長のVu Duc Giang氏は、今年の同協会は前年比11%増の400億米ドルの輸出目標額を設定したと語った。
Giang氏は、先週ホーチミン市で開催された2019年の国際繊維&アパレルサプライチェーン会議にて、同産業は200億米ドルの貿易黒字を享受し、285万人の労働者を雇用すると予想されている、と述べた。
繊維産業は今年、受注に関して前向きな兆しを見せている。「多くの企業は既に2019年初頭の6ヶ月分、更には1年分の受注を受けています」と彼は述べた。
同産業への資本フローが増加したため、ベトナムは繊維・アパレルのサプライチェーンを徐々に完成させたが、新しい自由貿易協定の施行も業界にとって今年は良い要因となるだろう。
今年は、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)が、繊維・アパレル産業を含むベトナムの多くの産業の発展を後押しすると期待されている。
同産業はまた、進行中の米中貿易戦争によって中国からベトナムへより多くの発注が移管されていくことを期待している。
ベトナムは現在16の自由貿易協定に参加している。アセアン物品貿易協定、アセアン-中国自由貿易協定、アセアン-韓国自由貿易協定を含む12の署名済み協定のうち10の協定が施行されているが、残りの2つのCPTPPとアセアン-香港自由貿易協定はまだ締結されていない。
VITASによると、様々な自由貿易協定に参加することでベトナム企業は自社製品の輸出においてより多くの選択肢を得ることができるが、同産業にも課題があるという。
ベトナムが署名した自由貿易協定はすべて、より高い環境対策基準を持っており、企業は製品品質だけでなく生産プロセスの改善も要求されている。
企業がこれを怠った場合、特に主要海外アパレルブランドからの発注が停止または拒否される危険性がある。
ほとんどのベトナムの繊維・アパレル企業は委託加工形式で行われているため、他国からの発注に大きく依存している。
世界中の顧客は現在、より環境に配慮しているため、グローバルブランドはより高い環境基準および社会基準を含んだ事業に改善することを余儀なくされている。
Giang氏は、ベトナムが製造業における環境保護を確保し、繊維・アパレル製品の「持続可能な供給者の選択肢」になるための努力を続けるべきであると提言した。
同氏によると、国は経済的、社会的および環境的利益を確実にするために2030年の持続可能な開発のためのアジェンダの17の目標を完全に実行すると公約した、と述べた。
「21世紀最大の世界的課題に対応する共通の責任を遂行するため、ベトナムと国際社会は2015年に気候変動に関するパリ協定を批准した。そして繊維産業はその公約の一部です」と同氏は述べた。
ホーチミン市のVITAS事務所のチーフ代表のNguyen Thi Tuyet Mai氏は、多くの省が繊維・アパレル産業活動のために独自の工業団地を設立した、と述べた。
工業地帯は廃水処理システムに投資し、稼働させ、生産中の環境保護に対する企業の責任を全うする事に役立っている。
VITASは3年前に環境委員会を設置し、Green the Textile and Apparel Industryグループの行動計画に参加した。
さらに、昨年、VITASとWWF(World Wide Fund)は、繊維産業のグリーン化プロジェクトを立ち上げた。同プロジェクトは、国内の繊維企業が河川流域の管理および水質を改善し、持続可能なエネルギーを利用するよう奨励することを目的としている。
WWF-Greater MekongのMarc Goichot氏は、ベトナムの繊維産業のグリーン化は、地球規模の環境問題である河川の管理とエネルギーの持続可能性に取り組むという、より幅広い目標を達成するのに役立つと述べた。
繊維・アパレル産業は、全国に6000の工場があり、約300万人の従業員を雇用しており、輸出の15%を占めている。 しかし、同産業は深刻な環境的影響を引き起こしている。
集中水抽出、廃水の使用と放流、および同産業による水の加熱と蒸気の発生のための高エネルギー消費は、水資源と温室効果ガスの排出量に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
同産業が拡大し続けると共に、悪影響を減らすために実際の改善が必要となるだろう。
国連は、2030年までに世界全体で40%の水不足が起こると予測している。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3824.html
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