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ベトナム:縫製労働者の賃金を低く抑える「厳しい」戦術

世界最大級の衣料品工場を抱え、ZaraやH&Mなどのファッションチェーン供給地であるベトナムは、約300万人の従業員を擁し、6000を超えるアパレル製品および繊維製品の製造工場の本拠地である。
 
米国を拠点とする権利団体である公正労働協会(FLA)の新しい調査によると、多数の長時間労働、時には休憩なしで月に50時間を超える残業をこなしているにもかかわらず、その生産目標に達成できないといった事例が報告されている。FLAによって調査された1万3000人のベトナムの縫製労働者のうち、大部分は国の最低賃金の2倍以上を稼いでいたが、それでも基本的なニーズを満たすには不足している。
 
「ブランドは、サプライヤーとの紙一重の差をもたらすような、厳しい交渉戦略は避けるべきです。それは、しばしば不本意または過度の時間外勤務の原動力となります」とFLAのSharon Waxman会長は電子メールでThomson Reuters Foundationに語った。
 
ベトナム政府は最低賃金を引き上げるべきであり、ファッションブランドは労働者が公正に補償されるよう、彼らの原価ポリシーを見直さなければならない、と彼女は付け加えた。ベトナム労働省は、コメントを求める電子メールには応じなかった。
 
共産圏であるベトナムの縫製労働者は、一般的にはカンボジアやバングラデシュのような他地域の衣服の製造拠点で雇用される労働者より、高い賃金を享受している。政府は過去数年間で賃金を引き上げており、現在の最低賃金は月額125ドルから180ドルの範囲だ。
 
現代労働奴隷の廃止を推進する動きが増していることから、労働環境はいくらか改善している。にもかかわらず、グローバルなビジネスの流れとして、近年サプライチェーンに労働搾取がないことを保証するよう圧力がかかっている。
 
今年の初め、慈善団体オックスファムは、バングラデシュとベトナムのサプライチェーンにおける労働者が生活賃金を稼げない「侵害的な搾取戦略」を取り入れているとして、オーストラリアのファッション会社を批判した。この搾取戦略には、価格交渉中または短期契約中に、衣料品工場の所有者に圧力をかけることも含まれる。生活賃金は、食料、住居、教育、医療などの基本的なニーズを満たす十分な賃金が得られていることを意味する。
 
「ブランドは果たすべき役割を担っており、多くのブランドが責任を取るべきです」と、この調査には関与していないが、アムステルダムに拠点を置く非営利団体Fair Wear FoundationのディレクターであるAlexander Kohnstamm氏は述べる。Kohnstamm氏は、生産計画と契約価格の改善により、しばしば労働権の侵害につながる労働者の時間外労働への依存を減らすことができると述べた。
 
「欧米のブランドが問題となっていますが、彼ら次第でそれを解決することができるでしょう」と彼は言う。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3818.html