【鈍化】 2019年のフィリピン成長率 世銀、アジア開銀共に下方修正
マニラ首都圏マンダルーヨン市にある『アジア開発銀行=ADB』によると、フィリピンの2019年の経済成長率予測を、従前の6.7%から0.3ポイント下げて6.4%に修正した。
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また、世界銀行も従前予測の6.5%から0.1ポイント低い6.4%と発表し、フィリピン経済の鈍化傾向が明らかになった。
ADBは日本を除くアジア太平洋地域の45ヶ国・地域の2019年成長予測を発表していて、こちらは2018年の5.9%から0.2ポイント下がる5.7%と予測し、2020年も鈍化は止まらず5.6%とこれら諸国と地域の経済が伸びないと見ている。
この鈍化の要因として世界経済の減速の影響を受けている。アメリカと中国の貿易紛争が長引いている二点が大きいと分析されている。
フィリピンに限っては、2019年の予算成立が遅れていることと、雨の降らない『エル・ニーニョ現象』が国内の農業生産に多大な影響を及ぼしてためとしている。
この予算成立に関してだが、上下院で審議された予算案は両院の承認を受けて3月26日に大統領の署名を得て成立するはずであったが、予算案の中に『優先開発補助金=PDAF』を組み込んだ項目があって大統領が署名を拒んでいる。
PDAFというのは議員一人一人に選挙区の民生向上を目的に支給する巨額な割り当て金だが、民生向上など嘘で議員の選挙用の資金や懐に入るため汚職の根源とされ、実際その使い道を巡って上下院議員を問わず逮捕者が出ている。
そのため、PDAF予算はアキノ政権下で法制化し禁止されたが、今年の選挙目当てで議員達が予算に組み込んだために、一部上院議員がその項目には拒否するようにと条件を付けたが、ドゥテルテ大統領も『不法な予算には署名しない』と明言し、不快感を示したために今年度の予算成立が遅れている。
このため、政府の経済閣僚からは予算が8月になっても成立しない場合、成長率は更に下がり、4.9%~5.1%にまで下がるとの悲観的な見通しを示している。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&command=body&no=380&
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