NTTコム中国、WinActorの販売を本格化、ビジネスの裾野拡大を狙う
【上海発】NTTコミュニケーションズ中国(NTTコム中国)は、中国でRPAソリューション「WinActor」の販売を本格化させる。主に日系企業を対象に導入先を広げ、裾野拡大を狙う。中国では人件費の高騰などを背景にRPAへの注目度が高まっており、ベンダー同士の競争は激化する見通しだ。(週刊BCN+ 上海支局 齋藤秀平)
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【写真】右からNTTコム中国の今津二郎常務副総経理と企画部門市場戦略部の徐静嫻部長、NTT-AT上海代表所の小笠原守首席代表と楊勝峰代表
WinActorは日本語と中国語、英語の3言語に対応しているのが特徴。NTTコム中国によると、中国で提供されているRPAソリューションの中で、日中英で操作できるのは、現時点でWinActorだけという。さらに、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)上海代表所の小笠原守首席代表は「手書き資料が多く使われる中国の事情を踏まえ、年内にOCR機能を追加する予定」と説明した。
日本で使う場合と同じくプログラミングの知識がなくても操作できるほか、PC1台から運用可能。NTTコム中国が上海拠点で実証したところ、人力で月2日かかっていた1000枚の請求書発行業務において、1年間で24人日の削減効果が得られたという。NTTコム中国企画部門市場戦略部の徐静嫻部長は「社内で横展開すると、さらに効果が高くなる」と話した。
中国での販売は2018年夏頃に開始した。RPAソリューションで日本国内シェア1位の実績を生かし、19年は、中国に進出する日系企業を中心に100社への導入を目指す。NTTコム中国が顧客への提案やシナリオ作成の内製化をサポートし、NTT-AT上海代表所が技術面で支援する。
NTTコム中国の今津二郎常務副総経理は「中国で展開しているSI事業とデータセンター事業に加え、これからはアプリケーションの領域にもしっかりと踏み込んでいく」とし、「WinActorで集めたデータをデータセンターに保存し、分析して活用するところまでをカバーするトータルソリューションの提案に挑戦していきたい」と語った。
NTT-AT上海代表所の楊勝峰代表などによると、中国では、業務の属人化や繰り返されるケアレスミス、人材の流動による知識の流出に加え、近年は人件費の急騰が企業にとって大きな問題になっており、コスト削減と業務効率化の対策としてRPAが注目されている。今後、中国でRPAの導入は拡大するとみられており、欧米や中国のITベンダーも積極的に市場の開拓を進めている。
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20190404_167055.html
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