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野村総合研究所(NRI)北京、日系企業向けビジネスも「油断はできない」

  
郡山総経理は、2018年の中国でのビジネスの状況について「今までと比べると悪くない」と振り返る。顧客のIT投資に大きな変化はないというが、「中国で順調な顧客の中には、ビジネスのさらなる拡大を目指し、ITを使って新しいことに取り組む動きが出ている」と説明する。
 
とはいえ「日系企業向けのビジネスでも、決して楽観視はできない」と一定の危機感を示す。背景にあるのは、中国ITベンダーの台頭だ。最近では、中国の技術やサービスに対する日系企業の注目度が高まっており、NRI北京では、日系企業の視察案件には専門のスタッフが対応しているほどだ。
 
中国ITベンダーへの注目度が高まることは、日系ITベンダーにとっては競争相手としての脅威が増すことにもなる。郡山総経理は「日系企業向けの案件では、中国のITベンダーとの競争に常にさらされている」とし、「単純に価格だけで勝負しては、中国のITベンダーに負けてしまう。サービスのレベルを上げるなどのプラスアルファを訴求していくことが重要だ」と強調する。
 
さらに「日系企業のIT部門では、以前は日本人が意思決定を務めていたが、最近は中国人が務めるケースが増えていると感じている。日本人のトップ同士で話をすることで、商談がうまくまとまることもあったが、今はそういう感じではなくなっている。この傾向は今後も後退することはないだろう」と語る。
 
NRI北京にとって、日系企業向けのビジネスに力を入れる方針に変わりはない。それに加えて大きなミッションになっているのが中国市場の開拓だ。郡山総経理は「人脈や会社のつながりを使いながら、徐々に案件が出てきている」とし、「中国市場向けのビジネスを専門的に取り組む組織も社内につくっているので、何とかこのまま広げていければ」と意気込む。
 
また、中国市場での存在感の向上などを狙い、NRI北京は社員の育成に取り組んできた。郡山総経理は「現地で採用した中国人社員に、経営的な部分にもかかわってもらうことを考えており、1年くらいかけて準備を進めてきた。会社の中核を担う人材も育ってきたので、19年はどこまでできるか挑戦する」と話す。
 
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20190403_167045.html