昨年中国企業のデフォルト規模「前例のない 」水準に
米経済専門局CNBC電子版は20日、経済失速と信用縮小が原因で、昨年の中国企業の債務不履行(デフォルト)規模が過去最高水準に達したと報道した。昨年、米ドル建て社債と人民元建て社債のデフォルトがともに急増した。
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報道によると、シンガポールのDBS銀行が2月に発表した調査報告書では、昨年の人民元建て社債のデフォルト規模は、「前例のない」1196億元(約1兆9626億円)に膨らみ、2017年の4倍となった。日本投資銀行の野村ホールディングスが試算した昨年の中国企業のデフォルト規模は、DBS銀行が示した金額を上回った。野村ホールディングスは、昨年の中国の人民元建てオンショア社債のデフォルトは1596億元(約2兆6189億円)に達したとした。DBS銀行と同様に、2017年の4倍だという。野村ホールディングスによると、中国企業が発行する米ドル建てのオフショア社債も同じ傾向にある。
「こうした負債は2018年に70億ドル(約7706億円)に増加した」DBS銀行のアナリストは、景気悪化のなかで、前例のない社債デフォルトが相次いだため、金融市場に新たな不安が生じていると指摘した。DBS銀行は2019年の見通しについて、リスク選考度の低下などや、今年、約3兆5000億元(約57兆4300億円)規模の社債が満期を迎えるため、今年も中国企業の社債デフォルトは「続く」と予測する。また、DBS銀行は調査報告書において、中国企業の資金調達環境が悪化しているとした。中国の実質金利は2017年のマイナス3.1%から、今年1月の4.35%に急上昇したため、企業の融資コストが上昇した。中国当局が緩和金融政策を実施しているが、中国国内の商業銀行は、民営企業と経営難に陥っている国有企業への貸出に慎重姿勢を維持している。
報道によると、アナリストは、2017年から中国当局によるシャドーバンキングの規制強化が、昨年社債デフォルトが民営企業に集中した主因であるとの見方を示した。中国の国有銀行は、民営企業よりも、国有企業向けの貸出を好む。民営企業は資金調達の際、シャドーバンキングに頼らざるをえなかった。
シンガポール資産運用会社アバディーン・スタンダード・インベストメンツのアジア債券投資マネジャー、エドマンド・ゴー氏は、中国当局が2017年以降に打ち出した多くの支援政策によって、国有企業はより簡単に資金を調達できたと指摘した。CNBCによると、多くの専門家は今年、中国当局の景気テコ入れ政策によって融資の拡大が予想されるため、中国企業の負債は一段と増加すると懸念する。
(大紀元:翻訳編集・張哲)
ソース:https://www.epochtimes.jp/2019/03/41462.html
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