泥縄の日本への特定技能者就労 フィリピンからは10万人
4月を目前にしたこの時期に、日本が創設した5年間で最大35万人の外国人労働者を受け入れる計画は体制が整わないまま見切り発車の様子を呈している。
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3月19日、日本の厚生労働省、法務省【写真は同省旧本館】とフィリピンの労働雇用省の間で『特定技能制度』に関する協力覚書が締結され、これはフィリピン以外に指定したネパール、ミャンマー、カンボジアなど10ヶ国の中で最初となり、他の国とも順次覚書を締結される運びとなっている。
この制度は従来の『技能実習制度』が奴隷労働という批判から新たに作られたもので、1号と2号に分かれている。
1号は介護、建設、外食、農業、漁業など人手不足が顕著な14職種が指定され、技能実習3年の経験を必要とするが、技能と日本語試験に合格すれば就労は可能で、現在実習生として日本にいる人も条件を満たせば移行が出来、在留期間は5年で家族は帯同出来ない。
2号は建設、造船・船舶用工業分野の2業種のみで、1号から熟練した技能が認められれば在留期間の上限はなく家族の呼び寄せも可能。
受け入れる日本側は『安価な労働者確保』との批判をかわすために、3月15日に法務省は政省令を公布し、それによると日本人と同等以上の給与と外国人が日常生活に困らない支援をすると抽象的な内容で具体的な内容がなく批判が高まっていた。
そのため3月20日になって具体的な『ガイドライン』が公表されたが、4月目前の公表であり、日本側のドタバタぶりが目立った。
これによると、入国時の送迎を企業側に求め、居住についても細かい規定が列記されている。
居住は外国人という理由で賃貸契約が断られる例が多いため、受け入れ側が保証人になることを求め、居住面積も1人当たり7.5平方メートル以上を確保するとしている。
また、日常生活においても日本の生活マナーや交通ルールなど8時間以上の説明、銀行口座開設、携帯電話などの手続きでも就労者が困らないように補助するよう求めている。
これらは従来の外国人実習生が『働かせるだけ』であった実情の裏返しであり、単なる要望事項では実効性は薄いとの指摘も強い。
そういった中、海外就労者大国のフィリピンでは官民挙げての新制度を歓迎し、現在3万人近い技能実習生より増えて、35万人の受け入れ枠の内、3割以上、10万人は受け入れるだろうと予測している。
4月中下旬には、日本とフィリピンで技能試験が行われることが決まったが、14業種の内、介護、外食、宿泊の3職種のみで残る11業種は5月以降となる。
フィリピンで行われるのは介護のみで、4月13日、14日にマニラ首都圏で日本語能力も含めて実施されるが、送り出すフィリピン側でも体制が整っていないことが分かる。
制度実施の泥縄ぶりは各国の対応にも出ていて、ヴェトナムでも介護と外食業の試験が検討されていたが、同国に蔓延る悪質な人材派遣会社排除の問題が解決されず、延期となった。
このようの制度的にも不安な中、見切り発車される『特定技能制度』だが、利益追求の企業は別として受け入れる地域や、肝心の無知から来るいわれなき『外国人排斥』感情は強い日本において、果たして上手くいくのかと危惧も強く、単純労働者としてやって来る外国人にしわ寄せが行くのは確か。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=477
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