フィリピン国鉄の延伸路線、日本のODAで着工
日本のODA(政府開発援助)は国益を前面に出さず、日本企業の海外事業に手を貸していると批判されるが、中国と比べて低利、長期返済期間のため『債務の罠』がないと好評で、中国贔屓のドゥテルテ大統領もODAに関しては日本側に傾斜している。
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同大統領は経済成長を社会インフラ投資で浮揚を図っていて、特に鉄道や空港などの大型プロジェクトは矢継ぎ早に打ち出されているが、多くは画餅状態で止まっているのが多い。
そういった中、既存のマニラ市トゥトゥバン駅からルソン島中部ブラカン州州都マロロス市まで延びる新線『南北通勤路線』の工事が始まった。【写真は同路線図】
同路線は全長38キロ、駅はトゥトゥバン駅を含めて10駅が造られ、事業費は1930億ペソ(約4200億円)。
同路線は国際空港のあるパンパンガ州クラーク市まで繋ぐプロジェクトが決まっていて、今回着工された区間は一期工事としている。
第二期工事は52キロあり、一期区間を含めて総事業費は7770億ペソ(約1兆7000億円)と、フィリピンの2018年度国家予算が3兆7670億ペソであることを考えると相当だが、日本のODAとアジア開発銀行の融資で建設される。
第一期区間は日本の住友三井建設が受注していて、2021年に完工予定としているが、これは2022年に任期を終えるドゥテルテ大統領の手柄にするための政治的な日程であり、現場では無理との話も流れる。
マニラ-クラークを結ぶ鉄道路線はアロヨ元大統領時代に中国のODAで決まっていたが、中国のODAの不透明さや受注した中国企業側の不手際、また同プロジェクトを推進したアロヨと中国側の贈収賄疑惑が持ち上がり、2010年に誕生したアキノ政権によってプロジェクトの廃止が決まった。
そういったいい加減な中国ODAの国策プロジェクトを凌いで日本側が獲得した新線敷設プロジェクトだが、マニラ首都圏の軽量鉄道MRT線の保守事業で韓国企業から日本の企業に変更され、日本に対するフィリピン側の技術的信頼度は高い。
同様にフィリピン最初の地下鉄事業が首都圏ケソン市とマニラ国際空港第3ターミナルを繋ぐ全長36キロの路線が日本のODAで清水建設、フジタ、竹中土木など日本の大手ゼネコンと現地合弁会社によって工事が始まっている。
同地下鉄もやはりドゥテルテ大統領の退任に合わせて2022年までに3駅のみを先行開通する予定となっているが、日本の安倍政権、プロジェクトの下請け機関国際協力機構(JICA)、日本から歴代総裁を出しているアジア開発銀行などの政権への媚びが目立つ。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=378
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