英下院、EU離脱合意案を再度否決 あす合意なき離脱案採決へ
[ロンドン 12日 ロイター] – 英下院は12日、メイ首相と欧州連合(EU)がまとめた離脱修正案を賛成242票、反対391票で否決した。合意案の否決は1月に続き2回目。前回の230票よりも差は縮んだとはいえ、今月29日の離脱期限を前に混迷は深まる一方となっている。
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首相は前日、離脱協定案で懸案となっているアイルランド国境の厳格な管理復活を避けるためのバックストップについて、法的拘束力を持たせるよう修正することでEU側の合意を取り付けたばかりだった。[nL3N20Z3E5]
メイ首相は投票に先立ち、「修正案が議会を通らなければブレグジット(英国のEU離脱)は路頭に迷う恐れがある」と訴えた。
議会は翌13日、合意なき離脱に関する投票を行う。首相は通常通り党議拘束はないと明言。その上で議員らに対し、「はっきり言っておくが、合意なき離脱に反対したり、離脱期限延長に賛成したからといって目の前の問題が解決するわけではない」と語った。
否決を受けトゥスクEU大統領の報道官は、合意なき離脱のリスクが高まったとコメント。また離脱交渉でEU側の責任者を務める欧州委のバルニエ首席交渉官はツイッターで「EUはできる限りの事を果たした」として、これ以上の歩み寄りはないとの考えを強調した。
ポンドは12日の取引で一時、2%安の1.3005ドルとなったが、議会採決の直後は1.3086ドル近辺で取引された。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(ロンドン)のマクロ戦略責任者、ティモシー・グラフ氏は「1つの選択肢が排除されたが、他の選択肢は可能性が高まった。市場は13日の採決で合意なき離脱案が大差で否決されることを願っている」と指摘した。
議会が予想通り合意なき離脱案を否決した場合、14日にはEUに離脱期限の延長を要請するかどうかについて採決を行う。
政府はこれまで、短期間の離脱延期案に関する採決を議会に認めるとみられていたが、12日夜には、EUに要請する離脱延長期間の長さについても議会に決定権を与える考えを示した。
与党保守党の有力議員であるグラハム・ブレイディ氏は、最も可能性が高いシナリオは、合意なき離脱と「際限のない延期」の2つだと述べた。
一方、トゥスクEU大統領の報道官は、延期を要請する際はいかなる場合も「信じられる根拠」を示す必要があると語った。
*内容を追加しました。
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