2019年3月12日、在タイ日本国大使館において、佐渡島志郎大使とワンナムラッド区家族開発委員会(FDCWD)のバーヤン・マライ会長との間で署名式が執り行われました。
ワンナムラッド区は、タイ北部最南部のナコンサワン県パイサーリー郡に位置する、10村から成る区です。人口7,722人(2,819世帯)のうち、1,269人(16.8%)が60歳以上の高齢者であり、今後も増加すると見られています。
高齢化に対応するため、ワンナムラッド区行政機構及びバーンカオディン健康増進病院が中心となり民間機関であるFDCWDと提携して、身体・精神面の統合的な自宅訪問介護や、「高齢者公会堂」における講演、レクリエーション活動等を実施してきました。しかしながら、限られた人材では多様な高齢者のニーズをカバーできていないことに加え、公会堂も老朽化し、トイレ等の設備も整っていないため、短時間かつ小規模な集会活動のみにとどまっています。
このような状況に対し、持続可能な高齢者のケア活動の推進を図るため、ボランティア型ケアワーカーを育成して人員を強化すべく、本計画においてデイケアセンターの建設と、ボランティア型ケアワーカーの育成にかかる資機材を整備し、バーンカオディン健康増進病院によりケアワーカー育成のための研修を実施することで、今後,同地域においてデイケアセンターと育成された人材を生かした包括的かつ適切なケアを高齢者に提供できるようになり、高齢者の生活の質が向上するという点で支援意義が大きいと判断し、日本政府による支援を決定しました。
日本政府は今後も、人間の安全保障のための取り組みを支援していきます。