中国全人代が開幕、デジタル経済の発展に注力
【北京発】中国の国会に相当する第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が3月5日、北京市の人民大会堂で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、「イノベーションによる発展のけん引を堅持し、新たな原動力を大きく育てる」と述べ、ITを活用したデジタル経済の発展に注力する方針を示した。
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李首相は「新興産業の急速な発展を促す」とした上で、「ビッグデータや人工知能(AI)などの研究開発と応用を強化し、次世代情報技術やハイエンド設備、バイオ医薬品、新エネルギー車、新素材などの新興産業クラスターを育成する」と説明。さらに「新業態や新モデルの発展を後押しし、プラットフォームエコノミーやシェアリングエコノミーの健全な成長を促す」と話した。
また「わが国は世界最大規模の科学技術人材を有しており、良好な科学研究環境を整えれば、さまざまな優れた研究者が続々と現れ、イノベーションの成果がどんどん生まれる活気に満ちた局面が必ず訪れるだろう」と呼びかけ、研究活動を積極的にサポートし、企業を主体とする産・学・研が一体化したイノベーションの仕組みの健全化を推進するとした。
中国政府はこれまで、「大衆創業、万衆創新」を旗印に、大衆による起業と革新の推進を主導してきた。今回の全人代で李首相は、こうした取り組みをさらに「深化させる」と強調。小規模企業に対する税制上の優遇措置を取ったり、関連政策の充実化によってベンチャー投資の発展を支援したりすると呼びかけた。
米国との関係について李首相は、一部の企業経営などの面で「影響をこうむった」と指摘し、解決に向けて「対等な立場での協議による貿易紛争の解決を一貫して主張する。約束したことは真摯に履行し、自らの合法的な権益は断固として守り抜く」との立場を表明。米国に配慮したとみられる部分では、国策として力を入れてきた「中国製造2025」の文言は政府活動報告で出さず、「製造強国の建設を加速させる」との表現にとどめた。
国内経済については、国内総生産(GDP)の伸びなどを挙げて「経済の動きが合理的な範囲内に保たれた」と成果を示しつつ、「下押し圧力が高まり、消費の伸びが鈍化し、有効投資が伸び悩んでいる」と一定の危機感も。2019年GDP成長率の目標値は「6.0~6.5%」に引き下げた。
(週刊BCN+ 上海支局 齋藤秀平)
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20190307_166657.html
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