2019年、フィリピンの経済成長率ー政府目標は無理の判断
政府の経済予測というのは都合の良い統計数字をつまんで過大に発表するのが定石で、日本の安倍政権などその典型的なやり口ながら、嘘八百を重ねてその事実を隠蔽している。
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フィリピンは日本のように酷くはないが、同じような統計発表は日常茶飯事で、例えば失業者が昔から巷に溢れているのに、失業者統計は実態を表していないことで知られる。
経済成長率に関して、数字で景気浮揚を印象付けたい政府発表と利益優先の民間調査機関が発表する数値に違いがあるのは知られているが、アメリカの大手格付け機関であるS&P社がこのほどフィリピンのGDP予測数値を発表した。
これによるとフィリピンの2019年のGDP(国内総生産)は6.4%、2020年は6.6%といずれも6%台の成長率になると予測した。
他の経済格付け機関でも2019年、2020年は6%台の数値が予測されていて、高い成長率を維持するものの、フィリピン政府が目標としている7~8%の成長率達成は困難との見通しが高まった。
しかし、格付け機関の予測数値はフィリピン国家統計局が1月に発表した2018年の成長率6.2%を上回る数値で、格付け機関はフィリピン経済の好調さは続くと判断している。
一方、不安定要素として、一時期6.7%に高騰したインフレ率が下がり気味でありながら高止まりしていること、フィリピン中央銀行【写真は同行建物と施設】による再度の利上げなどが挙げられている。
また、『米中貿易紛争』による影響、主力輸出産業の電子部品や機械類の輸出量鈍化なども成長率に影響を与えると見ている。
この他、フィリピン経済を支える海外就労者(OFW)からの送金で、中東向けのフィリピン人家政婦派遣削減を受けて送金総額が年間15億ドル減少する見通しが出ていて、GDPに大きな影響を与えると予測されている。
OFWの年間送金は右肩上がりに増えていて、公式発表では昨年2018年1月から11月までの送金額は290億ドル6千万ドルに達し、前年同期比2.6%増えていて、2019年のOFW送金額が減少という事態となると、各種経済機関の予測を更に下回るのではないかとの観測も出ている。
不安要素の強いフィリピン経済であるが、イギリスの分析機関によると、世界の新興国10ヶ国の2019年から2028年の今後10年間の平均経済成長率数値は、フィリピンはインドに続いて2番目の成長率が見込まれている。
1番目のインドの成長率は6.5%、フィリピンは5.3%となり、中国、インドネシアが5.1%と続き、マレイシア3.8%、トルコ3%と続いた。
この他、タイ2.9%、チリ2.6%、南アフリカ2.4%となり、この数字からかつて二桁台を記録するような急成長は見込めないことが明らかにされた。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&command=body&no=377
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