環境団体が中国の深刻な環境問題に言及 水質汚染や土壌汚染に警鐘
中国環境問題専門家が最近、米大学で講義し、土壌、水のいずれも中国共産党当局は決定的な対策を講じておらず、海外組織に対する情報検閲と調査禁止により、汚染レベルの把握自体が難しいと述べた。
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カリフォルニア大学ロサンゼルス校は、中国環境問題について調査する「中外対話(China Dialog)」創業者イザベル・ヒルトン氏を講師に招いた。同校公式ページで19日、ヒルトン氏のインタビュー記事を載せた。聞き手は同大法学アレックス・ワン教授。
ヒルトン氏は、中国の環境問題は大気汚染に注視されがちだが、水汚染はそれ以上に深刻だと語った。同氏によると、チベット高原を水源とし6,000キロ流れて東シナ海に注ぐ「母なる河」揚子江(長江)は、数年前、流れが海に到達する前に、枯渇してしまうほどだったという。
原因は、過剰な引水と地下水搾取、上水の破壊、汚染など複数あり、いずれも単純な解決策はないという。さらに、中国河川の地表水の20%が汚染レベル5という、人が接触するのも危険と認定される深刻な汚染となっている。
「水不足だけではない。ひどい管理体制であり、はなはだしく汚染している」とヒルトン氏は述べた。また、長江北部を中心に、住民らはすでに衛生的ではない水を飲用せざるを得ない状態になっている。
ヒルトン氏によると、次に軽視されている環境問題は、土壌汚染だという。深センなど情報技術(IT)先駆の都市を含む広東省は、香港の投資も受けて、あらゆる業種の工場を設置している。
広東省の某地域政府の官製報告では、土壌の27%が重金属汚染だったという。「でもそれはどこから採取した土だったのか、明かされていない。工業地か、農地か、一体どこの土なのか。(企業や組織は)汚染問題を指摘しなければ、改善もしないだろう」
中国共産党政権は、全国規模の土壌汚染調査をしているといっているが、不透明さや機密事項が多数あり、外部調査も阻まれるため、実態把握が困難になっている。中外対話の調査者は、広東省東莞の土壌汚染による健康被害を調査しようと試みたが、当局の強い抵抗に遭い、実現できなかった。
2015年、中外対話が再び現地視察したところ、深刻な土壌汚染をもたらした工場が立ち退いたり移設されたりした後、農民たちはその跡地で農作物を作っていたという。
中国中央テレビは2016年、江蘇省常州市の学校で、短期間で生徒500人がリンパ腫や白血病にかかったことを明らかにした。原因は土壌汚染とされる。
2016年、プラスチック汚染物の廃棄処理施設の近くで暮らす中国地方の貧困家族を、11歳の主役の少女を視点に撮ったドキュメンタリー映画「プラスチック・チャイナ(Plastic China)」が放映された。仏サンダンス映画祭やIDFA映画祭など世界で複数の賞を受賞したが、中国当局は後に映画を検閲対象にした。しかし、映画の影響を受けて、当局は使い捨てプラスチックの製造を規制した。
2018年、中国はこれまで米国、欧州、日本など世界先進国から受け付けていたプラスチック廃棄物の輸入を停止した。ヒルトン氏はこれを評価しているが、いまだに当局は固形プラスチックの処理に明確なルールを設けていない。また、廃棄処理工場の設置は、住民からの凄まじい反発を受け、難航している。加えて、流行するインターネット・コマース(EC)で使用される梱包材量の消費量も増加して、廃棄処理問題の解決には、現状はほど遠いと指摘している。
(編集・佐渡道世)
ソース:https://www.epochtimes.jp/2019/02/40641.html
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