アパレル業界で勝ち組のベトナム バングラデシュは負け組か
ファッション供給の世界情勢は、政治的緊張の高まりにより変化するかもしれない。米中貿易戦争、カンボジアに対するEUの圧力、そしてバングラデシュでの賃金引上げ抗議は、ファッション業界における世界3大拠点を不安定にした。これらのイベントは、ファッション業界における他の2つの供給拠点、トルコとベトナムにとって有利に働く。
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トルコにおいては、現地のイスタンブールアパレル輸出協会(IHKIB)の予測によると、2019年には業界の国際売上高は10%増加すると予測されている。 2018年には、トルコは衣料品の輸出量を前年比3.6%増の176億米ドルとしている。ヨーロッパはトルコのファッション業界にとって最大の市場であり続けており、 2018年には、売上の71%が欧州諸国からのものだった。トルコのファッション業界が持つ唯一の懸念はイギリスのEUからの離脱問題で、20億米ドルに相当する欧州への輸出を抑制されうる可能性がある。
国際的な不安定感が高まる中にもかかわらず、トルコのファッション産業は、技術と人材への投資により、2019年は二桁成長を見込んでいる。この点に関してトルコ政府は、5億7,000万米ドルの予算で地元ファッション産業の設備改善を支援することを約束している。米中間の貿易戦争を受け、世界のファッションサプライヤーとしてトルコが支持されるかもしれない。実際、地元産業は、中期的には180億米ドルの海外輸出売上高を達成しようという目標を抱えている。
ベトナムもまた、最大の服飾消費市場とその主要供給者との間の関係悪化が起こっていることを利用し、自らの立場を改善したいと考えている。ベトナムの繊維産業は、2019年には11%増となる400億米ドルの輸出を計画している。同産業は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の調停、ならびに貿易戦争の影響を受け中国を除いた対外投資の増加により、この成長を支えることを検討している。米中間の貿易戦争は、他のファッション生産拠点にとっても有益だ。一方で、ベトナムは欧州連合と自由貿易協定を締結しようとしている。その協定は、両当事者間の貿易における既存の関税を事実上すべて撤廃するものである。
カンボジアとバングラデシュは、それぞれのファッション産業の展望が複雑かつ不安定なため、2019年の予測がまだ見えていない。
カンボジアの場合、欧州委員会は、当該国からのEUへの輸出関税をゼロにする「武器以外すべて(EBA)」プログラムの適用除外に向けて動いている。それにもかかわらず、当政府は最新の予測において、建築業・観光業と共に2019年の経済成長の柱の一つとしてファッション産業を掲げた。政府は、2018年に同産業の国際売上高が24.7%急増したことを考慮した。
一方バングラデシュは、国内のファッション産業において、労働者による一連の新たなデモ活動に直面する巨大なファッション流通網のために注目されている。 今年実施された賃金上昇は労働組合の代表にとって十分なものではなく、主要産業地域における抗争は継続するように思われる。
2018年から2019年の上半期までで、バングラデシュからの繊維・衣料品の輸出は前年同期比14.42%増加し、205億米ドルに達した。衣料品の輸出だけでもこの6ヶ月で15.6%増の170億8,000万米ドルとなった。とは言え、バングラデシュは、同国工場の労働問題と社会的緊張が緩和された場合に備え、米中貿易戦争、およびEUとバングラデシュの間の政治的緊張を利用することも視野に入れている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3742.html
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