同人は先日亡くなった小売業最大手SMや最大銀行BDOなどを傘下にする中国系の『ヘンリー・シー』に並ぶ大富豪で、世界長者番付のフィリピン側富豪の常連となっている。
PALは後発の低価格航空会社『セブパシフィック航空』に追い上げられて、2016年度は41億ペソ(86億円)、2017年73億ペソ(153億円)と赤字が続いていた。
こういった経営内容の中、PALの持ち株会社『PALホールディングス』から日本の航空業界を『日本航空』と二分する『全日空(ANA)』の持ち株会社『ANAホールディングス』へ1月末に株式譲渡が行われた。
譲渡した株式はPALの総発行数の9.5%、買い取り額は9,500万ドル(約1,026億円)となり、最大株主はタン一族であることは変わりはないが、ANA側は取締役一名を送り込むと表明している。
今回のANAによるPALへの経営参画だが、既にANAとPALは日本-フィリピン間にコード・シェア便を運航していて業界としての違和感は少ない模様。
しかしながら、ANAの2018年総売り上げは1兆6432億円であり、対するPALの2017年度総売り上げは1295億ペソ(2720億円)でANAの6分の1、しかも赤字が続きANAがPALを飲み込むのではないかとの観測も流れる。
こういった観測に対してフラッグ・キャリア―が外国資本に買収されることはないと政府筋から流れるが、利に敏い中国系経営者のルシオ・タンがPALをANAに身売りする懸念は払拭されていない。
ANA側はPALの持つアジア地域の路線の将来性を評価し、株の買収に至ったと説明していて、PALは現在、フィリピン-日本間に97路線、週84便を就航させている。
一方ANAは日本-フィリピン間は2路線、週14便のみでこの偏重さも、ANAがPALに触手を動かしたのではないかと見られている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=373