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シンガポールとマレーシアの領空・領海紛争 緊張緩和で合意

 
両国は少なくとも1カ月間、それぞれ一方的に施行した措置を凍結し、実務レベルの会合を通じ解決を目指す。
 
会談後の共同記者会見で両外相は、対等、相互尊重を基盤に関係を維持、改善すると表明した。両国は外務事務次官を中心とする合同作業グループを設け、法律面、運営面から問題点を協議し、交渉の基盤を築く。2カ月以外にそれぞれの外相に結果を報告する。
 
バラクリシュナン氏は「両国は永遠に隣国であり、常に建設的、協力的関係を持つことが欠かせない」と述べた。サイフディン氏は「両国の関係は長く、将来進むべき道は関係強化しかない」と応じた。
 
シンガポールがセレター空港に計器着陸システム(ILS)を導入したことに対し、マレーシアは領空の主権にかかわるとして12月25日、パシル・グダン上空を飛行制限エリアに指定した。この高さの空域を通過する民間航空機はマレーシア空軍の事前承認を得る必要が生じる。今回の会談でマレーシアは飛行制限エリアの凍結を約束した。シンガポールはILSの運用を停止する。
 
領海紛争では、マレーシア政府がジョホール・バル港の境界をシンガポールがある東側に広げたことに対しシンガポールが、シンガポール領海を侵すものと反発。港湾境界線をマレーシアに広げる対抗措置をとった。