同グループ社長の日比野隆司氏はこの計画について、今後のドゥテルテ政権にとって、インフラ整備促進につながる大きな助けとなるだろうと話している。日比野氏はこの出資の見返りとして、フィリピン政府にわずかな額であっても毎年サムライ債を発行することに期待している。フィリピンは今年の8月、8年ぶりとなるサムライ債の発行をしており、その額は3本立て債でアジア記録を塗り替える1542億円に上っている。
今後ドゥテルテ政権は、中国とアメリカの貿易戦争には関わらず金融政策で金利をあげていくことによって、インフラ整備をますます進めていく予定である。インフラ政策の中でも特に大きなプロジェクトは、日本が出資しているフィリピン初となる地下鉄の建設だ。
大統領は、ドゥテルテ政権の看板政策となっているインフラ開発をを行うことで、フィリピン国内に雇用を創出し、経済成長を後押しし、フィリピン国内の経済を活性化を図っている。これは、フィリピンマーケットに参入してくる海外企業にとっても大きな魅力となり、また利益をもたらすだろう。
また地域別にみると、これまでフィリピンでは、政治・経済の中心となる首都のマニラ周辺で開発が進む一方で、大統領の出身地であるフィリピン南部に位置するミンダナオの経済開発は遅れてきた。しかし、ドゥテルテ大統領の就任を機に開発優先度が一気に高まっており、各国企業は競争力のある技術やサービスを輸出するのに、ミンダナオは有力な選択肢の一つと考えていいだろう。
(参照)http://manilastandard.net/business/corporate/282808/daiwa-eyes-financing-for-ph-infra-projects.html