業界団体の『Chamber of Automotive Manufacturers of the Philippines Inc. (CAMPI)=全国自動車工業会』と『Truck Manufacturers Association Inc. (TMA)=トラック製造業者組合』の統計によると、2018年11月の乗用車販売台数は9,107台で、これは前年同月の11,901台からから22.7%減となった。
また商用車でも11月の販売台数は22,061台で、前年同月の28,809台から23.7%も減少し、両部門とも売れ行きが不振であることが判明した。
このため1月から11月までの新車総販売台数は325,465台となり、これは前年の同期と比べて14.4%減となり、2018年の新車販売は不振の年として記録されるようになった。
この新車販売不振であるが、今年から自動車税の値上げと暴走する物価上昇が影響したと業界側は見るが、燃料費の値上げと地獄的な交通渋滞、また、自動車を持てる層が一巡したために以前のような購買意欲は失せているとの指摘が強い。
特に、フィリピンはモデルが変わったら買い替えるという慣習も余裕もなく、一度新車を購入したら日本の3倍以上の使用年数が普通であり、次の新車へ移行できる層が少ないためもあって、新車販売を伸ばすのは今後難しくなるのではと見られている。
会社別販売シェアはトヨタが首位の42.6%のシェアで相変わらずフィリピンで強味を見せているが、売れているのは交通渋滞の元凶の一つに成り上がったと批判を浴びている、タクシー代用のグラブに使う車との指摘もある。
2位は三菱の19%で、フィリピンにおいては三菱の度重なる製造不正も影響はない。
3位は日産の9.7%だが、日産はフィリピンでは昔から販売力は弱いため、本社のお家騒動も響いていない。
4位にアメリカのフォードが6.7%で入るが、乗用車は全く売れていない。
5位にホンダが6.6%で入るが、ホンダは好調な時は2位のシェアを取ったことがあり、フィリピンの販売網の弱さを再構築する必要があると指摘されているが腰は重い。
このようにフィリピンの新車市場は日本のメーカーが優勢だが、ライバル視する韓国メーカーは世界的に韓国車が売れないために、フィリピンでもシェアを落としている。
かつては値段の安さでフィリピン市場に食い込んではいたが、モデル、販売網ともに弱くこのままでは巻き返しは難しいのでは見られている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=370