生ごみの削減、循環経済の促進が目的で、装置は科学技術庁とウエストコム・ソリューションズが共同で開発した。ジュロン・クレメンティ・タウンカウンシル、クー・テクプアット病院にも設置されている。
食物残滓が投入されると、脂分の多いシンガポールの食事内容に適した微生物の働きで食物は分解・消化され、24時間で堆肥に変身する。こうした発酵・分解作業には少なくとも1週間はかかるのが普通だ。ウエストコムによると、ご飯、魚の残滓が多い日本などで使用されている微生物より、シンガポールの食物残滓に合っているという。
この分解装置を導入することで残飯の投棄を90%減らすことができる。パンダン・ループの発酵・分解装置は1カ月に1トンの堆肥を生産できる。コー上級相は「食物ごみの焼却、埋め立て量が減る。循環型経済の構築にもなる」と述べた。
昨年シンガポールで発生した食物ごみは80万トンで、住民1人当たり140キロ。このうち再利用されているのは16%で「大いに改善の余地がある」(コー氏)という。
家庭用の小型分解装置もあり、ウエストコムのタン最高経営責任者はすべての住民に食品ごみのリサイクルを勧めている。