CPIが前月比で下落するのは昨年12月以来でほぼ1年ぶりで、インフレに歯止めがかかっているとフィリピン中央銀行は歓迎しているが、実生活では物価の上昇が止まらず、経済官庁は数字を弄んでいるだけと手厳しい指摘がある。
PSA発表で目立った品目は食品、飲料の上昇率8%で、相変わらず生活に直結する部門の物価上昇は変わらないが、それでも前月比1.4ポイント低かった。
この若干の下落は、ドゥテルテ政権が外国産農産物の量的制限など制限を撤廃して輸入を自由化したためと分析されているが、主食である米の上昇率は同2.6ポイント減の8.1%に留まり、効果はまだ物価全体に影響を与えていない。
一方、高騰を続けていた石油価格の国際的な下落のために、水道光熱、燃料費、住宅価格が前月比0.6ポイント低い4.2%となり、この部門でのインフレ傾向が収まりつつある。
特に生活に直結するガソリンなどの燃料費が前月比30.3%から19.8%と急激に下落し、ジプニー、トライシクルなどの運賃が値下がりするなど庶民には嬉しいが、国際価格頼みの現状では束の間の値下がりと見られている。
地域別で全国で最も物価上昇率が高かったのは前月と変わらずルソン島南部地方のビコール地域であったが、前月比1ポイント減の8.9%とやや改善された。
マニラ首都圏の上昇率も下落傾向を見せ、前月比0.5ポイント減の5.6%となった。
この他、ルソン島北部カガヤンバレー地域は7%(同1ポイント減)、ミンドロ島、パラワン島などミマロパ地域地方では7.7%(1.3ポイント減)など、ほとんどの地域で改善がみられたが、政府の目標とした物価上昇率4%以内に収まった地域はゼロであり、全国的に物価上昇が止まっていないのが明らかになった。
こういった高物価の続く状態の中、ドゥテルテ政権は効果的な政策を打ち出させず、国内では不満が高まっている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=369