深刻化するフィリピンのエイズ感染 1日平均32人 OFWの海外感染も
東南アジア諸国はエイズ(‘HIV)感染者の多い地域であり、特にタイは97〜99年に感染者数が68万人にまで拡大した。しかし、フィリピン政府の徹底的な対策などにより2017年の統計では44万人まで減少した。
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また、隣国のカンボジアでも、99年には感染者数は11万人であったが、やはり2017年には6万7千人にまで減っている。
このように政府機関がやる気を出せばエイズ感染者は確実に減少できるが、フィリピンにおいては政府の対策の遅れや、性教育を忌避する固陋なフィリピン・カトリック教会などによって、増加する一方となっている。
国連合同エイズ計画(UNAAIDS)の統計によると、フィリピンは1990年代までは他国に比べて感染者・患者数は少なく年間1000人以下であった。
しかし、2000年に1000人を超えてから年々感染者が増え続け2009年には1万2千人、2011年に2万人を突破した。
それからは毎年5千〜1万2千人の新規感染が出て、フィリピンのHIV感染者・患者数は2017 年時点で6万8千人となった。
対策が進んでいると見られている日本でもフィリピン同様に感染者・患者数は増加しており、2004年に総数が1万人を越え、その後増加する一方で2017年の統計では2万8千人となっている。
フィリピン赤十字によると、今年1〜9月の間でHIVに新規感染したのは8533人に上り、一日平均32人が新しく感染していて、特に若年層での感染拡大が著しく、9月の統計でも25〜34歳が新規感染の半数以上の492人となった。
次に多いのが15〜24歳の271人で、35〜49歳の感染が170人であった。
12月1日は『世界エイズデー』であり、UNAIDSが定める今年のテーマは『感染の有無を知ろう』となっていて、これを受けてフィリピン赤十字は『HIVは治療が可能』であり、各地の病院で無料検診も受けられるので、結果を知ることや周囲の目を恐れずに『まずは検査受診を』と呼び掛けている。【写真は12月1日の世界エイズデーの活動の様子】
同時に、フィリピン・カトリックが禁止するコンドームを無料配布し、異性間や同性間での性行為時のコンドーム使用を訴えたが、同性間の性行為感染で著しいのは男性同士で、フィリピンの統計では感染者中80%を占めた。
また、フィリピン厚生省によると、比人海外労働者(OFW)の海外でのHIV感染も深刻で、昨年のOFWのHIV新規感染者は814 人に上がり、全体の8%を占めている。
このためOFWによる国内感染を防ぐために水際での防止策が急務となっている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=480
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