AP通信によると、テスラ、フォルクスワーゲン、BMW、フォード、ゼネラル・モーターズ、日産、三菱などがデータ送信を許可している。各社は、現地の法律や規制を順守するとしている。現在、この法律は新エネルギー車のみに適用している。
中国共産党政府が2016年に発表した、新エネルギーに関する法令文書によると、「中国国内の電気自動車に備えた専用機器から得た情報は、メーカーに送信される。また、メーカーは車両の位置情報、バッテリー、エンジン機能を含むデータを(政府運営の)データ監視センターに送信する」とある。
中国全土には61カ所のデータセンターがある。中国政府の管理下に置かれている。上海新エネルギー自動車公衆データ収集監視研究センターもその一つ。AP通信が撮影した写真では、壁一面を占めるスクリーンに走行車両のナンバー、車種、通過場所、走行距離、バッテリーの残量などの情報が表示されている。上海市にある22万台の電動自動車の情報が捉えられているという。ほとんどが個人の所有車だ。
報道によると、中国政府関係者は、交通安全の改善、産業開発とインフラ計画の促進のためにデータ分析は使われると述べた。人権団体ヒューマンライツウォッチがAP通信に対して、中国は車のデータ収集にますます熱心になっていると述べた。当局はすでに新疆の道路沿いに車両のデータを収集する機械を取り付けた。
中国は2017年、新エネルギー自動車と自動運転車のビッグデータを構築している。
日産自動車中国区の責任者はAP通信の取材を受けるまで、データセンターの存在を知らなかったと話す。フォード、BMWなどはコメントを拒否した。三菱はコメント依頼に返事をしなかった。GMとダイムラーは購入者の同意を得たうえで法律に従ってデータを送信していると回答した。テスラは具体的なコメントを避け、「法的な必要が生じた場合、第三者とデータ共有できる」と購入者に説明してあると返答した。
フォルクスワーゲン中国地区の責任者だけはデータが監視に利用される可能性を否定できないと返事した。
さらに、中国政府はデータ収集を通じて、海外の自動車メーカーの技術情報を取得する恐れがあり、競争力の不公平や技術盗用を招く。次世代技術・自動運転車にも同様のデータ収集機能の搭載が予想されている。自動運転車の開発は、世界一の製造大国ビジョンを掲げる国策「中国製造2025」にも記載されている。
(編集・佐渡道世)
ソース:https://www.epochtimes.jp/2018/12/38453.html