本カンファレンスを主催するのは、ベトナムを中心とした新興国で20年以上のビジネスキャリアを持つ日系企業「ブレインワークスグループ」。本カンファレンスに掲げられた“EGA”の頭文字は、世界の動きを作り出す成長著しい国々を総称した「Emerging Global Area(エマージング・グローバル・エリア)」の略称となっており、これらの国の勢いを吸収して共に成長していくという想いが込められている。
今回のカンファレンスは、日越国交樹立45周年を記念した「ベトナム・カントーフェスティバル・ビジネスツアー」のプログラムの一環として、ベトナム南部のメコンデルタ最大の都市として知られるカントー市内のムォンタンホテルにて、「日本ーメコン ビジネス協力フォーラム」と銘打って開催された。
冒頭にてウェルカムダンスと歌が披露された後、開幕ステージでは、ベトナム商工会議所(VCCI)会頭のVu Tien Loc氏が開幕の挨拶を、さらに元ベトナム国家主席であるTruong Tan Sang氏および在ホーチミン日本国総領事の河上淳一氏らがスピーチで登壇するなど、日越両国の政府関係者が壇上に上がった。
続く講演セクションでは、JETROホーチミン事務所所長・滝本浩司氏による「日本からの対ベトナム投資について」、長年ベトナムにて人材事業に携わっているG.A.Consultants Vietnam代表・関岳彦氏による「ベトナムでビジネスをしてきた13年間を振り返って」といった、日本とベトナムの双方にてビジネスを経験している当事者ならではのテーマを掲げた講演が行われた。
また、すでに7年に渡ってここカントー市で事業を行い、毎年同市と共に「越日文化・経済交流フェスティバル」を開催しているブレインワークスグループ代表の近藤昇氏も登壇し、「日本の企業から見たメコンデルタの魅力と共生の道」と題した講演スピーチを披露した。
さらに、ベトナム商工会議所(VCCI) カントー支部副支部長・Nguyen Phuong Lam氏の司会によって、各登壇者がカンファレンス参加者からの質問に答えるパネルディスカッションも実施。メコンデルタ地域における新規事業の可能性や投資メリットなどについて話し合うトークセッションとなった。
閉幕後も、ブースエリアでの日本企業とベトナム企業を繋ぐBtoBのビジネスマッチングに加えて、ビュッフェ形式による参加者の交流パーティーも開催されるなど、国の垣根を超えたグローバルかつパーソナルなコミュニケーションの輪が会場全体に拡がっていく様子が印象的だった。
多くの日本企業にとってのベトナムへの事業投資は、いまだホーチミンやハノイが多数を占めていることは否めないだろう。しかし、中央直轄市であるカントーを中心としたメコンデルタ地域は、国内消費および輸出における農業、水産加工事業に優れた、いわばブルーオーシャンでもある。
事実、日本企業の投資も少しずつではあるが始まっている。ベトナム南部ならではの潤沢な土地と人材に恵まれたメコンデルタ地域の新たな可能性をアナウンスした本カンファレンスの意義は限りなく大きい。