経済学者のPham Chi Lan氏は、この貿易戦争がベトナムへの投資の流れを乱す可能性があるとコメントし、「ベトナムへの投資は増えるでしょう、しかし、同様に望まない投資も増えるでしょう」と述べた。
アパレルおよび履物産業に関しては、原材料の原産地を問題にするべきだと専門家は強調する。米国は米国に輸入される2500億米ドル相当の中国製品に関税を課している。今後は中国からの材料を使用する国に輸入制限措置を講じる可能性がある。
もしそうなれば、中国から材料を輸入しなければならないベトナムのアパレル産業にとって、これは問題になるだろう。
Lan氏は、高額税率を課されている中国企業が米国輸出向け完成品を作るためにベトナムに半完成品を持ち込んだり、彼らがベトナム企業と協力し彼らの製品にベトナム製とラベルし米国へ輸出するようなことは避けるべきだと警告する。
もしベトナムから米国への輸出量が急激に増えれば米国は材料原産地を追跡し、製品が中国からの材料で作られていれば米国は追加関税を課すだろう。
国内問題
ベトナム綿紡績協会のNguyen Binh An事務総長は、ベトナム企業と外資企業(FIE)による輸出の割合に大きな変化が起きていると指摘した。2000年から2005年かけてベトナム企業の輸出量は全輸出量の60%、一方、外資企業は40%だった。しかし、現在はその割合が30%と70%になり、将来的に20%と80%になるだろうと予測される。
ほとんどのアパレル輸出は、単純加工の裁断・縫製・仕上げ(CMT)製品である。外資企業は市場や労働力、労働者訓練、技術、原材料供給源などを含む様々な資源のおかげで、ベトナム企業よりもかなり大きな利点がある。
外国人投資家らは安い労働力を利用するための工場を開業するためにベトナムへ来る。
履物産業にも同様のことが起きている。2010年の同産業の成長率は15-21%だったのに対し、現在は10-12%しかない。
原材料供給源に関する問題が産業の発展を妨げている。2017年、ベトナムのアパレル企業は90億平方メートルの生地を必要としたが、国内供給元が提供できたのは40億平方メートルのみだった。
履物産業においては、ベトナムは必要とする革の75-80%、靴底の30%を主に中国やインド、台湾から輸入している。材料を作るプロジェクトは汚染を懸念する自治体に断られたために進展できていない。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3659.html