ベトナム・EU間で、自由貿易協定(FTA)と包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)を締結後、国内繊維・アパレル・履物産業への海外直接投資(FDI)が急増。米中貿易戦争という状況下で、ベトナムへの海外直接投資は増え続けると期待されている。
一方、同国の履物産業は中国に次ぐ世界2位である。ホーチミン市履物協会のNguyen Van Khanh副会長によれば、ベトナムには現在、700の製造業者があり、150万人の労働者が従事しているという。
レポートによると、ベトナムが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加を交渉し始めたころから国内アパレル産業への海外直接投資による資本が増え始め、外国人投資家らが誓約した投資資本は、2014年は17億5000万米ドル、2015年は26億米ドルだった。
2017年に米国がTPPから離脱したとき、同産業への海外直接投資は6億5140万米ドルにまで落ち込んだが、CPTPPとベトナム・EU自由貿易協定(EVFTA)によってすぐに回復した。
同国のアパレル産業にとって米国は最大の輸出市場であり、次にEU、日本、韓国が続く。ベトナム繊維協会(Vitas)によるレポートでは、昨年のアパレル輸出売上高は310億米ドルに達し、内128億米ドルが米国向けだった。
ベトナム綿紡績協会(Vcosa)のNguyen Binh An事務総長は、国際状況がアパレル産業発展に好都合であるとして、同産業の未来を楽観視している。
米中間の貿易緊張もまた、広大な市場における中国製品に代わるベトナム製品の米国への輸出増加を後押しするだろうと期待されている。
貿易戦争はまた、世界中における海外直接投資の流れをベトナムへ向けるだろう。日本や韓国、中国の企業が彼らの投資計画を多角化するために、ベトナムでの機会を探っているという指摘もある。
また、貿易戦争により、投資の流れをベトナムを含むアセアン諸国へ向かわせる意欲が増えるだろうとも言われている。中国は現在、世界のアパレル輸出売上高の40%を占めている一方、ベトナムは3%のみである。
中国企業は今、多くの製造拠点をアフリカや東アジアへ移している。アセアン諸国の中でも中国と文化が類似しているベトナムは、彼らにとって正しい選択となる。
履物産業について言えば、ホーチミン市履物協会は最近、多くの海外投資家から投資先についての助言を求められている。
「履物産業の原材料を作るプロジェクトへ投資するよう薦めています。現在、必要な原材料の75~85%は輸入品です」と協会は述べた。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3635.html