そんな中、中国の首相である李克強氏は10月10日、北京を訪問していた福田康夫元総理や経団連の中西宏明会長と会談し、日本とともに自由貿易の発展ならびに多国間の貿易体制の維持を目指すといった中国の立場を明らかにした。
李氏はまた、中国は改革の推進、政策の更なる開放を行うことを約束し、日本企業が中国に投資することを歓迎すると述べ、今後の日本企業の中国内での投資拡大に期待感をあらわにし、西氏もこれに応えるように中国との経済交流を深めていきたいと意欲を見せた。
さらに10月11日と12日には、日本と中国からおよそ60名の企業経営者らが集まり開催された会議「日中CEO(最高経営責任者)サミットでは、貿易投資やアジア圏内のインフラストラクチャー、そして人口減少の問題についてなど、様々な議論が交わされた。
貿易問題のにより米国との関係悪化が深刻化している中国は現在、周辺諸国との関係の改善に注力している。同国は今年9月にも、日本の企業経営者らと会談の機会を設けるなど、両国の経済関係の強化を呼びかけている。
今回李氏が、5月に訪日したことなども踏まえ、両国の関係が「正常な発展の軌道」に戻ったと言及したように、日中関係は以前に比べて良好になってきているようだ。同氏は、この流れに乗って各産業界、企業家にとってもチャンスであるということを強く強調した。
<DIGIMA NEWS編集部の視点>
確かに世界最大の人口を抱え、急速な経済発展を遂げている中国は、各産業ともそのポテンシャルは規模が大きい。特に毎年20%前後の増加を続け、2020年には1000億元規模の市場になると予想される医療ツーリズム市場や10年後に1兆8000億元規模に成長するとみられている商業医療保険市場など、高齢化、医療などの分野は今後も成長が期待できそうだ。