フィリピン次期上院選候補の支持率 女性候補者が上位独占
2019年5月に行われる次期選挙の中で、12人しか当選枠のない上院議員選挙は一番注目が集まるが、立候補予定者の下馬評、人気度ともいえる支持率調査が民間調査機関『パルスエイシア』によって9月22日に発表された。
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これによると上位5人は女性候補者が占め、汚職をするのは男性がほとんどというフィリピン人の不信感が如実に出た。1位は2016年大統領選でドゥテルテが出馬しなければ当選の呼び声が高かったグレース・ポー(現)【写真】で支持率は70.1%。
同議員は捨て子の身の上から、大統領選にも出た有名俳優の養女になったフィリピン人好みの『シンデレラ・ストーリー』を持ち人気は高い。
2位シンシア・ヴィラール(現)の57.7%。同議員は2016年大統領選に立候補し惨敗した不動産王と知られる上院議員(前)の妻で全議員中で一番の大富豪。
3位ピア・カエタノ(元)の54.4%。同議員は2期12年上院議員を務めた後、一族で王朝を築いている首都圏タギック市で下院議員1期を務め、また上院議員になる典型的な手法で再立候補。
弟は元上院議員で2016年副大統領選にドゥテルと組んで立候補したが惨敗。現在はドゥテルテに引き上げられて外務長官。
4位ナンシー・ビナイ(現)の50.6%。前副大統領の娘で、ビナイは一族で首都圏マカティ市を牛耳り、政治王朝を作っているが、どこでもやっていると意に介していない。
5位はダヴァオ市長のサラ・ドゥテルテ(新)の39.5%。ダヴァオ市もドゥテルテ王朝で、サラは父親の跡目を継いで、弟も副市長であったが汚職で辞任。
ただし、サラは上院選には立候補せずに市長職に留まるといっているが、父親が大統領選には出ないといって話題を引きつける手法を踏襲しているとの声もあり、実際新たな全国政党を立ち上げている。
このように上位5人は女性候補となったが、いずれも身内の政治遺産を世襲する人物ばかりで、政治の淀みは激しい。
6位にようやく男性が顔を出しソニー・アンガラ(現)の37.1%。父親も長く上院議員を務めた実力者で、親の名前で当選した世襲候補者。
7位はジンゴイ・エストラダ(元)の34.6%。カエタノのと同様3年休んで復活を目指すが、父親は汚職で大統領の座を追われ有罪となったジョセフ・エストラーダで、『親が親なら子も子』という言葉通り、同議員も汚職で捕まった。
8位にアイミ―・マルコス(新)の32.6%。独裁者マルコスの長女で、ルソン島北端の北イロコス州でマルコス王朝を継承し、現在同州知事を3期。
4選禁止規定に触れるので2016年副大統領選で次点となった弟(元)を知事の後釜にして、自らは上院選へ回る『たらい回し』はここでも健在。
母のイメルダも89歳ながら同州選出の下院議員で全議員中の最高齢で、権力欲は衰えていない。
9位はココ・ピメンテル(現)の32.4%。同議員の父親は反マルコスで知られた著名な上院議員でその後の座を狙った初めての上院選では落選。ドゥテルテと同じ政党なので上院議長を務めたが、あまりの無能力で最近その座を追われた。
10位はリト・ラピド(元)の32.2%。元俳優でルソン島中部の州で知事職も経験するが、前回は俳優だけの甘いマスクでは落選できず、返り咲きを狙う。
11位はセブで政治王朝を築くセルヒオ・オスメニャ(元)の29.8%。オスメニャ家は戦時中に大統領を出して名門意識は高いが、近年はその威光も衰え、一時は上院議員を2人出すほどであったが、前回選挙で落選。
12位はマー・ロハス(元)の27.7%。ロハスは元大統領の孫で大財閥の御曹司という毛並みの良さを誇るが、それが逆に嫌われて前々回の副大統領選でアキノと組んだが、ビナイに僅差で破れるよもやの落選。
13位はロビン・パディリア(新)の27.4%。パディリアは現役のアクション俳優で人気は抜群だが、過去に違法薬物で有罪判決を受けた。
14位はボン・レヴィジャ(元)の27.4%。政治一族の出でやはり有名な俳優だが、汚職で捕まっている。
この辺りまでが当選圏に近いが、ドゥテルテが上院を支配しようとして、欲に突っ張った政府高官を数多く出ているが、何れも当選は難しい位置に居る。
このような調査は人気調査なので、上位を除いて当選圏内に入る候補者の順位は常に変わる。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=459
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