2018年9月21日

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フィリピン庶民の足「ジプニー」が消える日

フィリピン庶民の足「ジプニー」が消える日

戦後にアメリカ軍が払下げたジープを改造して、乗り合いバスのように仕立てた『ジプニー』【写真】は、交通渋滞、大気汚染の元凶として批判されているが、貧弱な交通インフラしかないフィリピンでは重要な交通機関となっている。

そういう実態の中、フィリピン運輸省は15年以上経ったジプニーを段階的にスクラップにする方針を表明した。

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これは2020年までに、17万台を目標に旧型のジプニーをスクラップ化する計画で、スクラップにした場合、2~3万ペソ(約6万円)が所有者に渡ると見込んでいる。
    
また、スクラップに応じた所有者には、政府系銀行の融資を受けて新車を手に入れられるとも述べている。
  
しかしながら現在、ジプニーの新車値段は160~180万ペソ(約360万円)するために、元々、零細な所有者が融資を受けて高額な新車に乗り換えるなど『机上の空論』との批判も高い。
  
また、フィリピンは財産である車をスクラップにするという感覚は少なく、製造後20年、30年の車が普通に使われていて、旧車から新車に乗り換えるのは可処分所得の高い層だけで、まだまだ少ない。
  
そのため、ジプニーに限らず古い車は地方に流れて、その地で延々と使用されているのが現状で、大気汚染は地方にも広がっている。
  
この大気汚染対策として、日本の企業などは『電動ジプニー』を開発し販売を試みているが、価格、充電設備、整備の面で普及するのは難しい状態になっている。
  
これはジプニーに匹敵する足の『トライシクル=3輪オートバイ』を世界銀行の融資で電動化プロジェクトが進行中だが、こちらも日本企業が受注をして生産をしているが、計画倒れ気味でプロジェクトは進んでいない。
  
マニラ首都圏だけでも7万台以上走行しているジプニーだが、新たな鉄道などの大量輸送機関敷設が進んでいないために、重要な交通機関としてジプニーに頼るしかないのが現状で、ここになってジプニーをスクラップ化して新車に変換する考えが打ち出されたが、長年の交通政策の無策ぶりと共に、ジプニー運行者にしわ寄せが来ている。
  
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=472

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