商船三井がフィリピン・ルソン島に船員養成大学を開学 国内では人気の職種
日本の三大海運会社の一角を担う『商船三井(MOL)』が、日本人の船員希望者が減る中、ルソン島カヴィテ州ダスマリニャス市に、9月12日4年制の船員養成大学『MOL Magsaysay Maritime Academy Inc.』を開学した。
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同大学はフィリピンの船員派遣会社大手と組んで開学したが、1997年から船員不足を見越して同人材派遣会社と組んで着々と布石を打っていた。
2007年に自社訓練船の『SPIRIT OF MOL』の運航を開始し、2,200人以上の船員候補生を育成。
2011年には国内の提携する船員養成大学から選抜した3年生を対象に、フィリピン政府の推進するプログラムに沿って訓練を実施し、実績を積み重ねていた。
その延長として船員養成大学の設立となったが、同校は13.2ヘクタールの敷地(東京ドームの2.8倍)に延べ面積3万平方メートルの建物を建設。
同校には航海科と機関科でそれぞれ定員150人、1学年計300人を養成し、全寮制。
卒業後の半数はMOLが採用し、残りはパートナーの船員派遣会社が他の海運会社に紹介する見込みで、両者のメリットは大きい。
今回入学した一期生は、応募者約1万人の30倍以上の狭き門から選ばれた307人で、内女子学生は8人。
同校の授業料は卒業後の分割払いという好条件と、日本の商船三井が関わっている大学ということで応募者が殺到した。
訓練内容だが、最初の3年間は最先端の航海用機器の完備した同校舎内で座学を中心に行われ、4年目は実際に船舶に乗って1年間の洋上実習を行う。
フィリピンは世界の商船乗組員供給国として1番多い国で、全世界の商船乗組員が120万人中、23万人を占めている。
次いでインドネシアと中国が8万人とフィリピンが人材面で突出しているのが分かる。
日本はかつて外航船員は人気のあった職種で、最盛期には4万5千人程従事していたが、現在は5千人ほどに激減、そのため海員養成大学の再編が行われた。
フィリピンではこの船員と看護師が海外で働ける高給職種として人気が高く、実際2016年度の船員のフィリピンへの送金額は把握されて総額55億ドル中、20%を占めている。
しかしながら稼げる職種として人気の高い船員でも、2017年に国内海員養成学校を卒業したのは2万5千人の内、5分の1の5千人しか雇用されていず、看護師同様フィリピン国内には有資格者が溢れている現実もある。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=364
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