フィリピン・在ダバオの駐在官事務所が「総領事館」に【昇格】
日本の外務省のフィリピンにある日本公館は、マニラ首都圏にある大使館、セブとダヴァオの2ヶ所に出張駐在官事務所があり、大使館と駐在官事務所の間にある総領事館はない。
日本の外務省によると2019年1月1日を目途に、ダヴァオにある出張駐在官事務所を総領事館に昇格させ、同駐在官事務所と総領事館への格上げを競っていたセブは脱落した。
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2017年時点で、フィリピンに在留届を出している邦人数は16570人で、これは前年度と比較して2.4%の減少で、各国で在留邦人数が増えている中では少数派に入る。
フィリピンの公館別の届け出数は大使館が11891人で、前年比5.2%と大きく落ち込んでいる。
一方、駐在官事務所別ではセブが3034人で前年比7.4%増と、大きく伸びている。
ダヴァオは1645人で前年比2.7%の増加。
ダヴァオはかつて邦人数が少なく、駐在官事務所など置く必要はないとまでいわれたが、ダヴァオは戦前からの日本人の開拓植民地で南方地域でも有数の邦人の多い所で領事館が置かれ、また、戦後の日系人問題という戦後処理が残っていて、そういった政治的背景があり駐在官事務所が維持されていた。
ところがダヴァオを地盤としたドゥテルテ大統領が生まれて、ダヴァオ偏重の動きが政財界に俄かに起こり、日本の安倍首相も昨年ドゥテルテの私邸を訪れダヴァオにODA案件を奮発している。
またドゥテルテの跡目を守ってダヴァオ市長に就いている長女のサラが今年4月に日本を訪れた時に、ダヴァオ駐在官事務所を総領事館に格上げする密約まで交わしていた。
こういった日本の動きはミンダナオ和平が進展し、ミンダナオ島に莫大な経済投資が見込める日本とフィリピン側との思惑が一致しているためで、ドゥテルテに媚を売って利権を得ようとする日本側の意図は明らか。
ドゥテルテの任期は1期6年で既に3年目にかかっていて、次期大統領の話は既に始まっていて、フィリピンの政治はロソン島中央のタガログ族が担う流れになっていて、ヴィサヤ出身の大統領の次はルソン島出身の大統領をという声は高い。
仮にルソン島出身の大統領が生まれると、現在ミンダナオ島で過重に進められている大型インフラの見直しが始まるのは必至で、ダヴァオの凋落が始まるとの指摘もある。
ダヴァオ駐在官事務所の本省派遣の日本人職員は現在2名だが、総領事館に昇格すると6人に増えるというが、セブのように邦人観光客が多くもなく、過剰な人員でそもそも仕事のない無駄使いの公館になるのではと危惧されている。
一方、ダヴァオは残留日系人問題と、日本へ出稼ぎに行く人材の一大供給地で、隠れた派遣業者も多く、意外と仕事は多いとの見方もある。
以前から邦人観光客の多いセブの領事館昇格というのはあったが、組織的に運動をした訳でもなく、操業する日系企業はダヴァオよりはるかに多いという慢心もあって、ドゥテルテ登場で『トンビに油揚げをさらわれた』格好となった。
悔しがるセブ側に対して外務省は『セブの領事館昇格はある』と、今回の決定に対してセブ側を慰留しているが、まず見込みはないというのが大方の見方となっている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=458
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