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中国総領事館による関空から市内への輸送 フェイクニュースとの声も

 
中国共産党機関紙・人民日報傘下「環球時報」電子版は6日、「関西空港に取り残された中国人旅行者にとって感動的ニュースが飛び込んできた」「駐日本領事館職員が専用バスを関西空港に派遣し、他国の利用客より先に中国人観光客を脱出させた」と報じた。
 
また、中国インターネット上では、「中国人旅行者のために、中国駐大阪総領事館は専用バス15台を関西空港に向かわせた」との動画投稿も注目を集めた。
 
しかし、これらの報道と投稿がフェイクニュースだと批判の声が上がっている。
 
中国メディアの報道によると、当時孤立した旅行者の中に、中国人750人がいた。環球時報の報道はあたかも空港までバスを派遣して中国人全員を脱出させた、という印象を与えた。
 
しかし実際は空港を運営する関西エアポートが、連絡橋のタンカーが衝突した部分と反対側の道路の安全が確認されたとして、バスと船で利用客を対岸まで運んだ。バスは関西空港と、対岸にある南海電鉄の泉佐野駅の間を往復していた。
 
中国のセルフメディアに掲載された記事は、「日本人を含む各国利用客がバスや船を待っているとき、中国人から「大使館が助けに駆けつけてくれた」という歓声が上がった。『駐大阪中国総領事館』と表示されたバスは奇跡のように関西空港に現れた。しかも、なんと15台も」と扇情的に描写した。
 
これを検証する記事は相次いだ。ソーシャルメディア「微信(WeChat)」アカウント「鬼目浮世絵」の記事に、当時の写真が掲載された。
 
利用客を乗せた中国総領事館のバス内の電光掲示板に「南海」が映っている。また、「これからみなさんを大阪駅と新大阪駅まで運ぶ予定」という領事館職員の発言が字幕で表示された。総領事館のバスは空港ではなく、南海駅で待機していたと証左したと記事は結論付けた。
 
同記事はさらに、空港はすでに利用客を駅まで運んだのに、領事館のバスが実は意味がないと税金の無駄使いを批判した。
 
環球時報の報道やネット上の書き込みの影響で、一部の台湾人ネットユーザーから、台湾の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)が空港にバスを派遣しなかったことを批判した。
 
同代表処の謝長廷・代表(大使に相当)は6日、自身のFacebooKで、中国人を含めてすべての空港利用客は空港側が用意した交通手段で移動したと強調した。
 
同記事はまた、空港側は確かに数台のバスで中国人をまとめて優先的に運び出したと述べた。その理由として、近年空港で多発する中国人観光客の抗議騒ぎを挙げた。
 
「日本の災害を国威発揚に利用するやり方は実に哀れだった」とあるネットユーザは書き込んだ。
 
(翻訳編集・張哲)
 
ソース:https://www.epochtimes.jp/2018/09/36122.html