アメリカとメキシコがNAFTA再交渉で合意 自動車・部品輸入に関税
[ワシントン/メキシコ市 28日 ロイター] – 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国とメキシコが27日に合意した案には、メキシコから米国への自動車・部品輸入が一定の水準を超えた場合に米国が最大25%の関税を適用することが可能になる別の合意が付帯されている。自動車業界幹部や関係筋が28日、明らかにした。
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関係筋によると、付帯合意ではメキシコからの年間自動車輸入が240万台、部品については年間輸入額が900億ドルを超えた場合、米国は安全保障を理由とした関税を適用することができる。
米政権は自動車・部品輸入が安全保障上のリスクとなるかどうかを巡り調査を行っており、向こう数週間中に結果を発表する見通しだ。
自動車メーカーの間ではこの合意について、米国が安全保障を理由とした関税発動に踏み切り、日本や欧州連合(EU)との交渉で譲歩を引き出す材料に使う構えであることを示唆しているとの懸念が出ている。
付帯合意では「最恵国」に対する現行2.5%の自動車関税を引き上げるシナリオが示されており、既存または新たなNAFTAの条件を満たさない車両には新たな税率が適用される可能性がある。
協議について説明を受けた関係筋によると、メキシコは安全保障を理由とした米国の関税について世界貿易機関(WTO)に提訴する権利を保持する。
<メキシコ産自動車輸出の上限>
関係筋によると、メキシコは米国への年間自動車輸出が240万台を超えた場合に25%の関税を適用される。この水準内で新たな原産地規則を満たす車両は無関税で輸出できる。水準内だが、新原産地規則を満たさない場合は2.5%の関税が適用される。
2017年のメキシコから米国への自動車輸出は約180万台だった。
両国の合意は最終確定しておらず、カナダと米国の協議や他の要因次第で修正される可能性がある。
米自動車部品工業会(MEMA)の政府関係担当幹部、アン・ウィルソン氏は、メキシコから米国への無関税での部品輸出は年間900億ドルが上限とされ、これを上回った場合は安全保障を理由とした関税が適用されると明らかにした。
関係筋によると、合意では自動車メーカーに一定の国産鉄鋼・アルミニウムの使用も義務付けている。
また、部品の原産地規則は種類によって異なる水準の比率が適用され、最も価格の高いエンジンやトランスミッションは75%が適用されるという。
関係筋によると、新協定は2020年から5年をかけて段階的に導入される。
米通商代表部(USTR)の報道官はコメントを控えた。
メキシコ経済省は現時点でコメントの求めに応じていない。
両国の合意に盛り込まれている関税の枠組みは、メキシコでの生産拡大を望むアジアやドイツの自動車・部品メーカーにとって不利となる可能性があり、これらのメーカーはより多くの車両やエンジンを米国で生産する必要に迫られるかもしれない。
ソース:https://www.epochtimes.jp/2018/08/35805.html
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