不正行為を理由に昨年12月、任期満了3カ月前に解雇されたが、不当解雇だと主張している。
原告は、本来なら当人に支払われるべき120万Sドル(約9,700万円)の支払いを会社は逃れたと主張しており、未払いの賞与などを含め計150万Sドル(約1億2,000万円)の損害賠償を請求した。
会社側は昨年9月、ウォン氏に対する監査を外部に委託。解雇に値する取引が複数あったとし、3カ月後に解雇した。
ウォン氏は富士ゼロックスに買収される前のランク・ゼロックスに営業部長として入社。2007年に今の会社のシンガポール代表に任命された。
会社は監査後、ウォン氏との協議の場を設定したが、数回延期された。ウォン氏の弁護士によると、心臓の問題を抱えておりストレスを避ける必要があったためだという。最終的に11月30日、会社側と面談したが、気分が悪いとの理由で早々に退席した。
訴状でウォン氏は、同氏にあったとされる不正行為の証拠を会社側は示さず、釈明の機会も与えなかったと主張。会社側は、監査人は釈明の機会をウォン氏に与えようと試みたが、その機会が生かされる前に同氏は退席したと反論している。
社は解雇の理由として、会社に損害を与える取引が複数あったと主張。これについてウォン氏は、損害はビジネスリスクの範囲と主張している。