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カンボジアでアパレル業界の最低賃金交渉が開始

 
政府は、2014年初頭にアパレル産業労働者のストライキの激化が治安部隊による少なくとも5人の死亡を招いたため、工場オーナー、業界有識者、組合の間で年間最低賃金交渉を開催している。
 
政府の発表によると「カンボジアでの最低賃金に関して、関連するすべての関係者は社会的評価(家庭状況、インフレ、および日々の経費)および経済的評価(生産性、国の競争力、雇用状況および産業の所得水準)を使用し、また貧困ラインを基盤にしなければならない」ということになっている。
 
カンボジア労働組合連盟のYang Sophoan会長は、「2013年と2014年のストライキ以来、複数回の賃金上昇があったにもかかわらず、アパレル産業の力に比べて労働組合の存在は依然として弱いままです」と述べた。
 
「交渉に労働者の声と数字を提出し労働者を守ろうと努力してきた組合は少ないです」と彼女は述べ、労働者の権利を擁護している組合は日常的に政府によって疎外されていた、と言う。
 
「私たちの声がまとまっていなければ無視されます。では、雇用主の議論に基づいて決定した場合、どうしたら選挙に勝つことができるでしょうか。政府は通常、労働者を支援する声に賛成しません」と彼女は語った。
 
カンボジア労働組合総裁のAth Thorn氏は、新しい労働組合法と裁判所による独立組合指導者の標的設定が労働者代表に圧力をかけていたと指摘した上で合意した。
 
「裁判所は私の案件を含め、多くの訴訟を抱えています。私は裁判所に7〜8件の刑事訴訟を起こしており、それが私たちの負担です」と彼は述べた。
 
主要野党が不在の中、先月の大統領選挙でカンボジア人民党が圧倒的に勝利したことも、交渉中に組合へ圧力を掛けていた可能性がある、と彼は語った。
 
昨年、Hun Sen首相は選挙に先立ち、70万人以上のアパレル産業労働者の支持を得るため、最低賃金を月170米ドルに引き上げ、交通費や医療ケアなどの追加給付を行った。
 
彼はまた、医療処置が容易に受けられるように、アパレル工場近隣に保健所の設立を命じた。
 
Sophoan氏とThorn氏は、近年の急激なインフレに対処するには、労働者の収入を大幅に増加する必要があると述べている。
 
それに対し、労働省広報担当者のHeng Sour氏はノーコメントであった。
 
カンボジアの主要アパレル産業団体であるカンボジア縫製業者協会(GMAC)のKen Loo事務総長は、工場オーナーが容認できる数字へのコメントを拒否した。
 
「我々は日々の競争に直面しています。労働組合には、要求する前に[雇用主の]能力を考慮して欲しいのです。競争のための猶予をあたえてもらわないと。賃金上昇が高すぎると、私たちは注文をもらえません」と述べた。
 
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/08/35592.html