Capgemini社のデジタルトランスフォーメーションインスティテュート(DTI)によると、今後5年間でスマートファクトリーは世界経済に付加価値の高い5000億米ドルを拠出することが出来るという。スマートテクノロジーはメーカーにとって重要な競争優位性を提供し、出力、品質、および一貫性を高めることができる。しかしそれらを実装するのは容易ではない。
展示会のオーガナイザー、Reed Tradex社の副取締役Suttisak Wilanan氏は「メーカーの76%がスマートファクトリー主導であるかスマートファクトリー化に取り組んでいます。そして14%のみがその成功のレベルに満足しています。しかし、特にベトナムのような産業発展の初期段階にある国においてメーカーは焦る必要はないでしょう。この挑戦に挑む者は適切な助言なしにあまりにも早く変わるべきではありません」と言う。
今年、Vietnam Manufacturing Expoでは日本、シンガポール、タイ、台湾を含む4つのインターナショナルパビリオンにて200社を超える有力メーカーブランドや専門家が参加した。
「スマートファクトリー」という用語は、人工知能、ロボット工学、IOT、計測、3Dプリンティングを主要なドライバーと見なしてブレークスルーしながら、物理的およびデジタル的世界を統合する一連の製造技術を意味する。
Universal Robots社は、商業的に実行可能なロボット(またはコボット)を生産する世界初の企業であり、Vietnam Manufacturing Expo 2018に参加し工場労働者のためのツールとなるロボットを発表する予定である。
東南アジアとオセアニアのユニバーサルロボット社のゼネラルマネジャーであるShermine Gotfredsen氏は、「コボットは人間の労働者と協力するように設計されたロボットです。生来のIndustry4.0の互換性を超えて、コボットは産業用ロボットに手が出せなかったであろう企業の製造プロセスの自動化を後押しする重要な役割を果たしました」と言う。
コボットは汎用性があり、簡単にプログラミングが出来、小型・軽量でしかも手頃である。それゆえにコボットは完成引き渡し状態のIndustry 4.0の設備を建設する立場に無い企業の古い工場を改良するために中小企業、および発展途上国の全ての規模の企業に導入されている。
Universal Robots社によると、このようなロボットの自動化を“民主化”することで、Industry 4.0ソリューションへ向かう準備が出来ていない企業であっても、コボットによって、どこでも最新の自動化に参加できるようになるという。
「メーカーによっては、50年以上もの間同じ機械システムが整備されています。競争の激しい業界では、メーカーは機械設備をアップグレードするだけではなく、時代遅れのものを交換する必要があります。その理由から、私たちはベトナムのメーカーがコボットの能力、生産能力およびどのように生産ラインで効率的で経済的、そして安全に適用するかに関するより深い理解を得てもらうためにReed Tradex社と協力しExpo 2018にて‘Cobot Showcase’を開催しました」とも述べた。
Industry 4.0時代の3Dプリント分野に重点を置くCreatz3D Pte Ltd.社のセールスマネージャーのHoang Van Tan氏は「現在、設計およびラピッドプロトタイピングは3Dプリントの恩恵を受ける主要なプロセスの2つであり、また少量生産にも役立ちます。スピード、品質、マテリアルが向上するにつれて、新しい可能性を有効利用する者が勝者になるでしょう。今日の3Dプリンティングは既にプロトタイピングを超えています。 3Dプリンティングにより、メーカーはエンジニアリングと設計サイクルを加速し、全く新しい製造の可能性を創出できます。3Dプリンティングは、全く新しい、パソコンやスマートフォンのレベルで行える破壊的技術とみなされるべきです」と述べた。
当初、不可製造(AM)とも呼ばれる工業用3Dプリンティングは主に視覚的および機械的なプロトタイプを作成し、再現性を容易にし、最高精度を必要とする部品の無限複製を可能にした。3Dプリンティングは全世界で2016年には17.4%成長し、60億6,000万米ドル産業に成長し、幅広い業界での足跡を誇っている。カスタマイゼーションと在庫ゼロを保つ能力において巨大な可能性を秘めているため、3DプリンティングはIndustry 4.0の中心的要素である。
計測学技術はVietnam Manufacturing Expo 2018でスマートファクトリーのコンセプトをサポートするために展示されたもう一つの重要な技術である。Keyence Vietnam Co., Ltd.社のセールスマネージャーのNguyen Thanh Dat氏は「計測技術は、機械加工プロセスが仕様内にあり、結果として得られる部品は適合度、外形、機能における設計要件を満たしていることを保証するためにプロセス制御技術と共に適応される」と述べた。
彼はまた、製造業および産業市場においてアセアン地域内で最も有望な市場の1つであるベトナムが、絶え間なく変化する市場の要求を満たす準備する時が来たと考えている。
「Industry 4.0以降の人的資本の新たな要件が必要とされています。育成され、投資を受けた、技術に精通した集団は、様々な事業運営に配備されているIoT技術やスマートファクトリーを運営するために配備されるだろう」とDat氏は言った。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3539.html