米中貿易戦争 米国の追加関税による中国アパレル業界の影響は?
少なくとも今のところ、中国の製造業者には関税追加を回避する手段があるため、米中戦争による副次的影響は限定的である。
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アメリカの綿に対する中国政府による報復関税により、綿紡績、低価格繊維製品、衣料品などの生産拠点を南アジアおよび東南アジアへの移転する動きが加速するだろうし、貿易戦争が激化した際にアメリカが中国製品に課すであろう関税に中国企業は備えている、と業界幹部は話す。
しかし、少なくとも今のところ、中国の製造業者には関税追加を回避する手段があるため、米中戦争による副次的影響は限定的である、と香港アパレル審議会のStanley Szeto会長は述べた。
「今のところ、綿に対する関税が中国アパレル業界に及ぼしている影響は、ごくわずかです。それは、影響を避ける様々な方法があるからです」と、Stanley Szeto会長は綿を含むアメリカ製品に対して7月6日に発動した25%の追加関税について言及した。
米トランプ政権による2,000億米ドル分の中国製品に課せられる暫定的な10%の関税(来月の公聴会で審理)は、今のところ、帽子や手袋、ハンドバッグのような革製アパレル品やアクセサリーを除き、中国製繊維やアパレル製品の大部分には打撃を与えていない。
「しかし、報復貿易戦争と予想される貿易障壁の対象拡大により、中国企業はサプライチェーンを通じた彼らの生産力をベトナムやバングラデシュのような国々に移転させることをさらに詳しく検討するようになるでしょう。基本的に、もし同じ製品品質と納品信頼性がこれらの国々において10%の費用優位性で実現できるのであれば、彼らは移転するでしょう」とStanley Szeto会長は述べた。
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香港に拠点を置き、Paul SmithやJ Crewのようなデザイナー・ブランドと共作しているファッションプロデューサー Lever Style社の62歳のSzeto会長によると、彼の会社の中国における生産量は8年前を100%とすると現在はわずか半分ほどに減っていると言う。
最新の25%の追加関税の前に中国へ送られたアメリカの綿のほとんどは、輸入関税を免除されている。通常は、量や価格によって1~40%の関税が掛かる。
これは、いわゆる「加工貿易」と言われ、関税を免除される。綿を輸入した工場のいくつかは「保税監督地域」内に位置し、中国から輸出される製品を作るために使用される。
中国綿協会(CCA)によると、加工貿易や保護監督地域、他の特別関税区分に該当しなかった通常輸入、つまり、関税免除されない中国で消費される輸入綿は、昨年の総輸入量のたった21%の割合だった。
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加工貿易は現地政府により設定された監督や割当て下にあるにもかかわらず、これらは高い技術を要する仕事の創生と環境改善のために低付加価値および汚染性がある製造業を縮小している。
中国、バングラデュ、ベトナム、そしてミャンマーで計2万人以上の従業員を抱え香港に拠点を置く繊維メーカーLawsgroupのBosco Law Ching-kit氏は、「中国政府が先月、綿輸入の大幅増加を公表したにもかかわらず、中国当局がさらなる加工貿易割当を許可するかは不透明なのです」と述べた。
「米中貿易戦争を考慮すると、中国政府が(さらなる)加工貿易を受け入れるかどうかは疑わしいと思います」と、この会社の最高責任者であるBosco Law氏は述べた。
一方、業界幹部は、追加関税により中国の綿紡績事業の東南アジアへの移転が加速するだろうと予測する。
「関税の有無に関係なく、コストの上昇を考えるとサプライチェーンの調整は中国製品にとって現在進行形の課題なのです」とLaw氏は述べた。
「私たちはいつでもコストの圧迫に直面しています。それは、関税のせいだけでなく、物流コストも原因なのです」と彼は話す。「効率的に事業を続け、世界中から他に負けない価格の材料を調達することは全ての経営者にとっての原則なのです」
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3525.html
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