第1四半期の6.8%増から減速した。中国国内専門家は、内需・投資の低迷、米中貿易戦が主因で、下半期の中国のGDP成長率は一段と鈍化すると推測する。
当局が発表した6月鉱工業生産は同6.0%増で、2年ぶりの低水準。事前市場の予測は6.5%増だった。
1~6月の固定資産投資は同6%増となった。1995年記録を開始以来、最小の増加幅となった。昨年から打ち上げられた金融デレバレッジ政策(債務圧縮)による与信の縮小が原因だ。
ロイター通信(16日付)によると、中国国内証券会社の海通証券のアナリストらは、中国の製造業のトレンドは第2四半期始めの「需要低迷・生産(供給)過剰」から、「需要も生産も低迷した」に変わったとの見方を示した。また、中国経済の下振れ圧力が強まっており、経済のけん引力である不動産投資の貢献度が低下しているとした。
中国政府系シンクタンク、国家情報センター(SIC)は今年下半期の中国のGDP成長率が6.6%まで下落すると予測する。米中貿易戦により、経済の不確実性が増加したことが主因だという。
人民銀行(中央銀行)は、景気を下支えする狙いで、6月下旬に市中銀行の預金準備率の引き下げを決定した。
中国中原銀行の王軍チーフエコノミストは、中国経済は現在、需要が全体的に鈍化し、投資と個人消費が減少しているとした。米中貿易戦などの外部要因に加え、下半期の中国国内外の需要鈍化が拡大することで、景気の減速感が一段と強まる。王氏は、この影響で今年1年間の中国GDP成長率は6.5%~6.6%に減速すると推測した。
王軍氏は、中国経済が不動産市場に過剰に依存しているとの見解を示した。「上半期において不動産価格の上昇がなければ、固定資産投資の伸び率の鈍化がさらに深刻だったに違いない」。王氏は、不動産市場への依存度を低下させなければ、中国経済の構造転換が実現できないとした。
一方、中国証券会社の華安証券のアナリストチームは、当局によるバラック地区改造政策の調整で、今後中国の固定資産投資の低迷が続くとの見通しを示した。
投資会社、華宝信託の聶文氏は、債務圧縮政策による流動性の低下、個人消費の低迷、米中貿易戦による輸出への影響などで、下半期のGDP成長率が6.4%、または6.5%までに下落すると指摘した。
また、中国当局は、内需拡大を狙い、今後債務圧縮の中止と金融緩和と政策を転換する可能性が高いとした。年末まで、人民銀行は市中銀行の預金準備率の引き下げを2~3回実施する公算が大きい。
(翻訳編集・張哲)