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中国高速鉄道をロシア誌が異例の批判 「腐敗まみれ」

    
中国主導の計画は、モスクワからロシア・タタール地方の首都カザンまで、約800キロメートルの鉄道を繋ぐ。
 
プロジェクトを共同するロシア鉄道会社の副社長によると、今年の第4四半期に竣工し、2024年に完成する予定。高速列車の速度は時速400キロに達すると予想され、モスクワ~カザン間は14時間から3時間半へ大幅に短縮する。
 
ロシアの主要政治誌「週刊ウィークリー」は最近、この中国の高速鉄道を紹介する長編記事を発表した。記事は、中国は歴史遺産である万里の長城のごとく、自国の高速鉄道の技術を誇っているが、地方における高速鉄道の大部分は収益性が悪く、損失は国が負担しているという。
 
さらに、中国の高速鉄道は腐敗事件が多発し、中国の中で最も腐敗した行政部門であることが知られている。「高速鉄道の父」と呼ばれる前鉄道部長(交通省の幹部)劉志軍は、汚職で死刑に処されている。
  
また、高速鉄道計画のために交付金が地方政府に分配されるが、公務員たちの腐敗を生み出していると指摘した。
  
モスクワ〜カザン高速鉄道プロジェクトの投資は約200億ドル。ロシアの鉄道会社は65億ドル、中国国営企業が残りの135億ドルを投じるとされる。しかし、ロシア財務省と経済開発省など政府内では、資金が不十分だと考えられている。

さらに、高速鉄道はメンテナンス費が高く、中国側にロシアが支払うことになる。同誌は「中国からの借り入れは中国の鉄道技術の受け入れを意味する。しかし採算も合わない。ロシアが直面するリスクは明らかだ」と、議論の余地があると投げかける。
 
中国当局者はロシアでロビー活動を展開し、積極的に中国の技術をアピールしている。モスクワ~カザン高速鉄道計画のほかに、中ロ国境地域で高速鉄道を建設し、中国の高速鉄道網に接続する案もある。しかし、経済的な利益は低いとみられる。
 
ロシアには独立系メディアはほぼない。このたび、中国関連の大型プロジェクトに批判的意見が示されたのは異例だ。ロシアと中国の関係はより密接になり、メディア交流も増えている。互いに不利なことを言わないようにするのが狙いだ。
 
ロシアの中国国境プリモルスキー地域拠点の評論家ツェンケ氏は、ロシアにおける中国共産党政権のシルクロード構想「一帯一路」の評価で、これまでで最も良い記事だと述べた。彼は、ロシアの腐敗した役人と地元の既得権益だけが中ロの高速鉄道計画を推進しているとすれば、成功するのは難しいと語った。
 
ロシアの有名な政治学者ベルコブスキー氏も、関係者は中国の高速鉄道プロジェクトを「一塊のぜい肉」とみなし、酷評している。ベルコブスキー氏は、「鉄道の予算は増加すれば、中国は融資を増やすだろう。しかし、旅客と交通量はそれほど多くない。私はロシアにとって損失の多いプロジェクトだと思っている」と語った。
 
(編集:大紀元・佐渡道世)